第3127冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 恋人同士が見せる腕のしぐさ


恋人同士の場合、男性はデート相手にほかの男性がアプローチしそうな気配を感じると、自分から先に女性の体に腕を回そうとする。さもなければ女性の背中から腕を離さず、自分の自由にその向きを変えて、誰にも縄張りを侵させないようにする。恋人行動を見ていると、とても勉強になることが多いし、何より楽しい――男性が無意識のうちに、縄張りとデート相手の両方を自分のものだと宣言するのを見られれば、なおさらだ。


恋人同士が見せる腕のしぐさの例としては、カップルがいっしょにテーブルについているとき、互いの腕をできるだけ近付ける(または近寄せない)ものある。腕には感覚受容器が多いので、腕の触れ合いによって感覚的な喜びが生まれる。腕の産毛に軽くふれるだけでも、衣類の上から腕に触れるだけでも、末梢神経が刺激されるのがわかる。だから自分の腕をほかの人の腕に近付けるときは、快適に感じていること、体の触れ合いを楽しんでいることを、大脳辺縁系が明らかに証明しているわけだ。この行動の逆は、近くの人から自分の腕を遠ざけるしぐさで、恋人の仲が悪化して場合や、隣の座った人(デートの相手のことも、見知らぬ人のこともある)を不快に感じた場合に見られる。