第3115冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 協力的な足と否定的な足


仲良くしている人や協力して何かをやっている人と話しているときには、相手の足が自分の足をミラーリング(模倣行動)しているはずだ。しかし、体の正面をこっちに向けながら、足先がそっぽを向いている人がいたなら、その理由を考えなければならない。体の向きはよくても、それは心からの協力ではなく、探りを入れるべきいくつかのことを表している。その姿勢が反映している気持ちとしては、すぐに帰る必要がある。逃げ出したい、話の内容に興味がない、もう手伝いたくない、話の内容に集中できていない、などが挙げられる。町で見知らぬ人が近付いてきたとしたら、普通は腰から上だけでその方向を見ても、足先は進んでいる方向を指したままにする。そのとき相手には、礼儀として少しだけ注意を向けるが、個人的には歩き続けるか逃げるつもりだというメッセージを送っているのだ。


私は長年にわたって、米国や諸外国の税関検査官のトレーニングを担当してきた。彼から信じられないほど多くのことを学んだが、彼らもまた、私のいくつかの助言を受け入れてくれたものと願っている。私が教えられたことのひとつは、税関の申告をするとき、体の検査官のほうに向けながら足先を出口に向けている旅行客を探すように、というものだった。乗り継ぎで急いでいるだけの可能性もあるが、その行動は疑いを抱くに十分だ。研究によれば、検査官に「申告するものは何もありません」と言いながら足先をそむけている人は、申告するべきものを隠し持っている可能性が高いことがわかっている。顔はニコニコし、言葉ははっきりしていても、足が協力的でないことを暴露している。