第3111冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)
- 作者: ジョーナヴァロ,マーヴィンカーリンズ,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: 文庫
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- 足が伝えるさよならの合図
二人の人が立ち話をしているときには、向き合っているのが原則だ。でも一方が足先を少しそらしたり、片足をしきりに外に向けて(片足の先が相手を向き、もう片方の足先が直角に外を向いて、L字型になるように)動かしたりしているなら、その人は話をやめて、どこか別の場所に行きたがっている。このような足の動きも、これからやろうとしていることの手がかりになる。胴体は、礼儀正しく相手に向けたままかもしれないが、足はもっと正直に、辺縁系の必要としていることや逃げたいという願望を反映する。
最近、五時間近くも依頼人といっしょにいたことがある。別れ際に、その日の相談の内容を振り返って検討していた。互いの意見を平等に出し合う会話だったのが、私はその依頼人の片足が直角に外を向き、片足だけでどこかに行きたがっているように見えるのに気付いた。そこで私は、「今すぐ、どこかに行かなければならない用事があるのでは?」と訊いてみた。「そうなんです」と、相手はすぐに認めた。「申し訳ありません。失礼があってはいけないと思ったのですが、ロンドンに電話しなければならない用事があって、もう五分しか時間がないんです!」この場合、依頼人の言葉も体の大部分も、間違いなくそこにいるのが心地よいことを伝えていた。でも足は最も正直で、そこにいたいのは山々だが、どうしても行かなければならない用事があると、はっきり訴えかけていたのだ。