第2971目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • スポットライトの重圧


セレブとカリスマには共通点がある。つねに「見られている」ことだ。本人は知っていようといまいと、好む好まざると、彼らはつねに人の目にさらされている。これは、権威のカリスマとビジョンのあるカリスマのように、パワーの強いカリスマに起こりうる副作用の1つだ。


コーチングをはじめとするビジネス書の著者として知られるマシャル・ゴールドスミスは、多くのCEOが、つねに最善の振る舞いをしなければならないという重圧に悩んでいると語る。「彼らはつねにショータイムだ。退屈なパワーポイントのプレゼンテーションを聞いているときでさえカリスマを示さなければならない。同じ部屋にいる全員が、プレゼンテーションをしている人だけでなく(あるいはそれ以上に)彼にも注目している」


カリスマのある人は特別の才能に恵まれているように見えるから、私たちは普通以上の期待を抱く。より素晴らしい結果を期待して、優れた結果でも並外れたものでなければ満足せず、あまり感動もしない。


カリスマのパフォーマンスがお粗末なら、「標準的な人」の場合よりはるかに厳しい批評が集まる。ビジネスの世界で失敗したカリスマはどうなるのかと訊かれて、ハーバード大学のラケシュ・クラーナ教授は次のように答えている。「失敗した救世主と同じだ。私たちは彼らを十字架にはりつけにする」