第2920目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


別の実験では、ショッピングモールでアンケートを行う調査員に、ブランドのロゴ入りのセーターとロゴなしのセーターを着せた。すると、ロゴ入りの調査員のアンケートには52%の人が回答に応じたのに対し、ロゴなしの調査員は13%だった。高価そうなロゴは、慈善精神にも影響を及ぼす。明らかにブランドものとわかるマークのついたシャツを着たグループは、マークのついていないシャツを着たグループ(それ以外の条件はすべて同じ)の2倍近い寄付金を集めたのだ。


権威のカリスマを評価する最後の基準は、その人の肩書と周囲の反応だ。これら2つの要素は多くの手がかりをもたらすが、ボディランゲージと外見ほど重要ではない。肩書は立派だが、周囲からほとんど尊敬されていない人がいると、私たちは本能的に、肩書は低いけれど大いに尊敬されている人に比べて真のパワーを持っていないのだろうと理解する。


これらの基準にもとづく評価は、全体でも1秒足らずでできるが、肝心なのはその順番だ。複数の基準に矛盾がある場合、人は先に判断した基準を信頼しやすい。繰り返しになるが、ボディランゲージはカリスマを示すあらゆる手がかりの中で最も優先される。ほかのすべての手がかりは問題がなくても、不安を示すボディランゲージがあれば、権威のカリスマのあらゆる潜在能力がむしばまれる。反対に、ボディランゲージさえしっかりしていれば、権威のカリスマはある程度の信頼を勝ち得るだろう。