第2907目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


カリスマとして名高いダライ・ラマはあふらんばかりの誠意と思いやりで知られ、最も冷徹な人も彼の前では心が和らぐという。彼が自分が人々に与える影響の大半を、仏教の思いやりを実践しているからだとする。私たちもそのひとつ、「メッタ」を学ぼう。


メッタとは、1000年近く前から仏教徒が実践している他人と自分への思いやりの心で、「慈愛」や「寛容」に近い。あらふる存在に対し、意識して深い思いやりを実践する。メッタに忠実な人の脳を神経科学者が調べたところ、普通の人と比べて顕著な違いが明らかになった。彼らの脳は強い脳波を発してるのではなく、ストレスを感じる状況からの立ち直りがかなり早く、脳の「幸福領域」として知られる大脳脂質の左前頭葉の機能が著しく向上していのだ。


メッタは、自己批判の攻撃に立ち向かう際の強力なツールにもなる。メッタがもたらすさまざまな恩恵のなかでも、カリスマ性を高める力はとくに大きい。ただし、多くの人がメッタのエクササイズにかなり違和感を覚えるだろう。実は私も取り組みはじめたころは、違和感どころか気まずくて仕方がなかった。あなたも同じかもしれないが、とにかく挑戦しよう。