第2772冊目 ゴール―最速で成果が上がる21ステップ ブライアン トレーシー (著), Brian Tracy (原著), 早野 依子 (翻訳)


ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

  • なぜ人は目標を設定するのか


ここで一つ疑問が出てきます。目標を目指すことが人間の本能なら、なぜ明確で測定可能な期限つきの目標を紙に書き、それに向かって日々努力する人がこんなにも少ないのか? これぞまさに、人類の謎です。私に言わせれば、目標を設定しない人が多い現状には4つあります。

  • 目標を軽んじている

第一に、大半の人は目標の重要性に気づいていません。家族の誰も目標をもっていない家庭で育ったり、目標について話し合うことのない集団に属していたりすると、目標を設定することが、いかに人生に影響を及ぼすかを知らないまま過ごしてしまいます。まわりを見てください。友人や家族のなかで、明確な目標を定め、それに向かってまい進している人はどれくらいいますか?

  • 方法がわからない

第二の理由は、そもそも目標設定の仕方がわからないというものです。それに輪をかけてひどいのが、漠然とした夢や願望を目標と勘違いしてしまうことです。「幸せになる」「お金をもうける」「良い家庭をもつ」というのは、目標とは呼べないのです。


これらは、人間なら誰もが抱く夢物語にすぎません。目標というのは、単なる願望とは一線を画すものです。それは明確で、具体的で、文書にされたものです。他人に説明しようと思えばすぐにでき、達成すればそうとわかる、計測可能なものなのです。

  • 失敗への恐れ

第三の理由は、失敗への恐れです。失敗はつらいものです。精神的だけでなく、金銭的にも打撃を被ることがあります。誰にでも、一度や二度の失敗の経験があるでしょう。そのたびに同じ轍を踏まないようにもっと気をつけようと心に誓うはずです。そうして多く人は、知らず知らずのうちに失敗しそうな目標をはなから立てないようになっていきます。その結果、本来手に入れられるはずのすばらしい人生からかけ離れていくのです。

  • 笑われることへの恐れ

第四の理由は、拒絶への恐れです。目標を設定してそれがかなわなかったとき、他人に批判されたり、馬鹿にされたりするのが怖いのです。ですから、目標を設定したら、最初のうちは秘密にしておくべきです。達成した成果を見せるのは構いませんが、前もって話してはいけません。誰にも知られなければ、笑われることもないのです。