第2729冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 真剣に取り組んでいる姿勢を示す


ノンバーバル・メッセージの多くは、あまり金のかからないものだ。たとえば名刺は安価だが、見込み客の手元に残るから、心に刻まれる。私はこれを、第一印象をさらに広げるものとみなしている。だから名刺は業界の基準を反映しているものでなければならない。銀行員と弁護士の名刺は、不動産業者の名刺とは異なって見て、不動産業者は自分の写真を名刺に刷りこんでいることが多い。かわいらしいデザインや笑いを誘うようなデザインは避けよう。業界の基準を学び、すでに使われているものを模倣するといい。きっとそうしてよかったと思うだろう。


仕事を探している人、または転職の準備をしている人は、自分なりの名刺を作り(自宅のパソコンで作ってもいいし業差に頼んでもいいが、どちらも簡単で安い)、自分自身のプロモーションに利用してほしい。現在の職をまもなく離れる予定がある、または離れそうだと思っている人は、個人の名刺を使って友人や仲間のネットワーク作りをはじめよう。また、Eメールアドレスと電話番号はずっと使い続けたほうがいい。変えてしまったとき、新しいアドレスをわざわざ調べて連絡をくれる人は少ない。


私は第一印象を広げる道具として、襟章も推奨している。襟章をしていると、企業の一員であることを示すことができ、注目を引き(装飾品はそのためにある)、会話のいとぐちをつかめ、商談を呼ぶことができる。私は、自分の会社(JNForensics)の襟章をしているだけで、セミナーの講師に誘われることがある。ジズソーパズルの一片のような形をした襟章は、よく目につくらしい。「面白いピンですね。何ですか?」「ジグソーパズルですよ。私はノンバーバルの読みかたを教えることによってパズルを解いています」、「私の会社は講師を探しているのですが……」。すべてが小さな襟章から始まる。


襟章など重要ではないと思うなら、どれだけ多くの企業が社員に配布しているか見てみることだ。小さいが注目を浴びる。オバマ大統領は選挙前にCNNでルー・ドブズから、もっと愛国心をもって、襟に星条旗のバッジを付けるべきだと非難されたとき、それを認識したにしがいない。案の定、次に人々の前に登場したとき、大統領候補の襟には星条旗のバッジが見え、それ以来ずっとついている。


持ち物によって第一印象のアピールを高める方法はほかにもたくさんあるが、たいていの人は考えもしない。たとえばブリーフケースに注目してみよう。たぶん、何かの記号や荷物札など、自分を表すものがついているのではないだろうか。そしてそれが誰かの興味を引き、会話が始まることもある。次の顧客がどこから姿を現すかは、予想もつかない。