第2706冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 大きな自信を表す手の動き


尖塔のポーズ――両手を広げて指先どうしをつけるしぐさ――は、非常に強い自信を表現する。弁護士、判事、大学教授、会社役員は、自分の言葉、考え、地位に対する自信を表すために(クセでまたは練習の成果で)頻繁にこのポーズをとる。尖塔のポーズは無意識のうちに出るものだが、世界共通で、とても重要だ。自分自身、自分の意見、そして自分の考えかたに安心感をもっていることを表す。


このポーズには自分のメッセージを強めるという働きがある。セミナーを行なうときや大勢の前で話すとき、あるいはプレゼンテーションの場で、必要に応じてこのポーズをとれば、自分が言っている内容に自信があることを聴き手に伝えることができる。何年も前になるが、講演会の講師は尖塔のポーズをとるべきでないと言った人がいた。しかしそんな言葉は忘れたほうがいい。誰かが確信をもって話していると判断するために、私たちはこのしぐさを期待している。


ところで、私は女性がこのポーズを十分に活用していないと思っている。うまく利用すれば、男性の同僚と同等の空気を培うことができる。


証人が尖塔のポーズをとると、陪審員はその証言に対する確信を深める傾向がある。ある意味では、尖塔のポーズは両手を組み合わせてきつく握る祈りのポーズの反対であり、祈りのポーズは「私は疑わしく思っている」、「私には自信がない」と伝える方法になる。


手の親指は「立っている」または「突き出ている」とき、最も大きい力を発揮する。手を組んで親指だけ上げた状態は、自信を表す。医師や地位の高い人たちが、よくポケットから親指だけを出して話しているのに気付いたことがあるだろうか。逆に親指だけを隠すと(ポケットに両手の親指を入れ、残りの指を横に出すしぐさを試してみよう)、発するメッセージはまったく違ったものになり、自信がなさそうに見えてしまう。仕事を求めているときや、リーダーの立場にあるときには、親指を隠してはいけない。そんなことをすれば頼りがいのない人に見られることになる。会議では、テーブルの上に置かれた参加者の手を見てほしい。不安にかられている人は、親指をほかの指で隠していることが多い。