第2693冊目 人生を思い通りに変える51の質問 谷原 誠 (著)
- 作者: 谷原誠
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/03/26
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- その素敵なネックレスは、どこで買ったのですか?
人からほめられると、とても嬉しいものです。人から認められたいという欲求は、人間のとても重大な欲求だからです。
しかし、私たちは、人からほめられると嬉しいくせに、なかなか人をほめることをしません。あなたは、配偶者をほめていますか? 文句ばかり言っていませんか? 子供をほめていますか? ほめることよりも、文句を言うことの方が、大切なことなのでしょうか?
ここに1人の子供がいます。両親は、子供のことをほめたことがなく、小言ばかり言っていました。その子は、自分にとって一番大切な親からほめられたことがないために、自分に自信が持てませんでした。常に親の顔色をうかがい、人の話を素直に聞くことができず、他人に冷たくあたってしまう性格になってしまっていました。
人は、人からほめられることによって、自己評価があがり、心が安定します。そして、人にも優しくなれるのです。ですから、人が素敵だと思ったら、どんどんほめることをおすすめしたいと思います。
私がここで言っているのは、「心からほめる」とうことであり、お世辞やごますり、おべっかとは違います。それらは計算高く行われるものであり、心からのものではありません。
人をほめるときは、1その人自身をほめる(「勇敢ですね」「気配りがすばらしいですね」など)、2その人が所属する集団あるいは構成員をほmる(「飛ぶ鳥を落とす勢いの会社ですね」「お子さんはとても聡明ですね」など)、3その人が所有するものをほめる(「そのバッグはすてきですね」など)の3つがあります。
人をほめるのが苦手な人は、「ほめると、お世辞を言っているように受け取られるのが嫌だ」と言います。そんなことは気にせずにどんどんほめれば良いと思いますが、それができない人のために、「ほめてもお世辞と受け取られにくいテクニック」を紹介します。
それは、ほめる内容を前提にした質問をする、というテクニックです。たとえば、人が身につけているネックレスが素敵で賞賛したいとします。そんなときは、次のように言います。
「その素敵なネックレスは、どこで買ったのですか?」
この質問の目的は、「どこで買ったのか?」を聞くことです。ですから、質問された人は、「この人はどこでネックレスを買ったのか聞きたいのだな」と感じます。お世辞やおべっかには聞こえません。
しかし、質問の前提には、「そのネックレスはとても素敵」というほめ言葉がしっかりと入っており、その言葉は、相手の胸の奧に届いているのです。
これは、裁判で禁止されている「誘導尋問」をヒントにした手法です。裁判では、あやまった事実を質問の前提にすべりこませると、証人が記憶とは違う証言をしてしまう危険があることから、裁判で禁止されている尋問テクニックです。
裁判で禁止されているほどですから、その効果は絶大。ぜひこのテクニックを使って、どんどん人をほめてしまいましょう。人をほめると、ほんの少し、人を幸せにすることができます。
人が素敵だと思ったら、このテクニックを使って、どんどんほめましょう。