第2645冊目 成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール ダグ・レモフ (著), エリカ・ウールウェイ (著), ケイティ・ェッツイ (著)


成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

  • 6秒以内


サッカーの23歳以下のアメリカ代表チームのコーチ、ケイレブ・ポーターは、練習だけでなく試合でも、選手のために計測できる目標を設定する。ボールを奪われたら、できるかぎりのことをして「6秒以内に」ボールを奪い返さなければならない。それができなければ、通常の守備戦略に戻る。たいていのコーチが、ボールを奪われたら「必死に」取り戻せとチームに命じるが、スペインのトップコーチの方式を取り入れたポーターの目標は計測できるので、大きなちがいが生まれる。ボールを取り戻るためにがんばるふつうの目標では、場面を問わず目標を達成できたと思いこみがちだ。そもそもボールを取り戻すためにがんばらない選手がいるだろうか。他方、ポーターの目標は客観的だから、選手に責任感を持たせることができる。


ほかの計測可能な目標も設定できる。たとえば、試合中または練習中に60パーセントの割合で6秒以内にボールを取り戻すといった目標だ。これにより、教員コーチのマイケル・ゴールドスタインの言う「数字にともなったフィードバック」ができる。「われわれは6秒以内という目標を40パーセントの割合で達成した」というふうに。選手はつねに自分のレベルを知ることができるし、コーチも自分ひとりで判定する必要のない目標を設定できる。「40パーセントの割合でボールを取り戻せた。これを60パーセントにするぞ。引きつづき練習しよう」と言うのは、「ボールを取り戻す努力が足りなかった。もっとがんばろう」より格段にわかりやすい。チームは試合中とまったく同じ目標で反復練習をおこなうことができる。