第2565冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 苦手な人には「惚れ力」を発揮


以前、ブライダル関係の会社の方に、社内の勉強会で講演をお願いしたのですが、その方の言葉にユーモアなフレーズがありました。


「なかなか結婚できない人は、惚れ力を磨け」


結婚相手に求める条件に固執して、あら探しばかりしてはいけない。相手のどこか良いところを探して、そこに惚れる。それが「惚れ力」だそうです。


入社して間もない若手にとって、職場の人間関係は、社会のすべてに感じられても不思議ではありません。上司や先輩との関係がうまくいかないと、それが大きなストレスになることも考えられます。


人間関係をストレスにしない方法、それが「惚れ力」です。職場でも相手の良いところを見るようにしてください。苦手な上司、嫌いな先輩に対しては、なおさら「惚れ力」を駆使するべきです。


多かれ少なかれ、誰もが人に誇れる何らかの経験を持っているものです。良いところもあるはずです。欠点は誰にでもあり、悪いところを見るときりがありません。


この上司は話が長いから苦手だ。そこで終わらせずに、その上司との豊富な経験と知識は勉強になるのではないか、と考えてください。そうすれば、頻繁に話を聞きに行こうと考えます。話が長いという欠点は、何らかの理由をつけて終了時間を決めてからミーティングに入れば解決できます。


この上司は頭の固い親父だから嫌いだ。しかし、軸はブレないイザというときに頼りになる。そう考えれば嫌いな上司を避ける理由はなくなります。誰にでも必ず得意なところがあり、その部分だけを参考にすればいいのです。


嫌いな部分、苦手な部分は、単なる特徴と捉えればいいです。その人にはどういう強みがあるのか。そう考えながら人と付きあってみてください。


人は、自分に好意を持ってくれている人を邪険に扱いません。しかし、相手から嫌われているという空気は必ず伝わります。どんなに気難しい上司でも、良いところを見つけて尊敬すれば、おそらく嫌われることはないでしょうし、チャンスをもらうこともできると思います。


むしろ、嫌いな人、苦手な人ほど懐へ飛び込むべきだと僕は思います。お昼にでも誘ってじっくり話をすれば、そんなに悪い人ではないかもしれません。