第2561冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)
- 作者: 岩瀬大輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 仕事は総力戦
「質の高さ」
実際のビジネスで求められるのは、こうした要素だとお伝えしました。そのためには、何を使っても、誰の助けも借りてもいいのです。僕が「50点で構わないから早く出せ」と強調するのも、ビジネスはたった一人で成し遂げるものではないということを理解していただきたいからです。大学入試のカンニング事件がニュースになりましたが、受験と仕事は求められているものが違います。
新人だからこそ認められたい。自分の力を試してみたい。そういう心理が働くのはわかります。しかし、現時点であなたがいくら時間をかけても、残念ながら100点満点の成果は出せません。
だとしたら、50点の成果を早くて提出し、上司や先輩を含むほかのリソースを総動員して、一刻も早く100点に仕上げるべきなのです。
繰り返しになりますが、自分ですぐに調べらことは自分でやるべきです。ただ、調べられるかどうかわからない微妙なラインにあるときは、最初は聞いてしまってもいいと思います。
「この問題は、こうやったら調べられる。次は調べてから来い」
上司からそう言われればしめたものです。わからない点を教わるのではなく、わからない点の「調べ方」を教わる。そうした経験を積んでいけば、自分一人で取り組んだ仕事の成果を、50点から100点に近づけることができるのです。
仕事に関わるすべてのことに精通するのは理想です。とはいえ新人の場合、現段階でそこまで詳しくなる必要はないと思います。直属の上司に聞いて解決するか、そこでもわからなければ、詳しい人間を捜し出すことができれがいいのです。
最初から誰がどの分野に強いかなどわかるはずがありません。回りくどい言い方になりますが「詳しい人を知っている人」に聞いてください。周囲には、過去に様々なプロジェクトに関わった上司もいるはずです。
「このテーマは、誰に相談すればいいですか?」
「それだったら、あいつが同じようなプロジェクトをやっていたよ」
直接その人に聞けば、かなり深い知識を得ることができます。それをきかっけにして、社内のほかの部署に人脈もできるおまけまでついてきます。
ビジネスは総力戦です。企画書の作成に上司の力を借りたからといって、取引先から「ずるいよ」と言われるでしょうか。取引先としては、質の高い企画を早く提出してくれれば、それで満足するはずです。あなたの周りにいる人たちを総動員させて、早く、質の高い仕事をしていきましょう。