第2528冊目 「権力」を握る人の法則  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • 自信とエネルギーを周囲に伝える


私は以前、ビジネスウーマンたち相手に、ストレス管理についての講演をしたことがある。そのとき、ちょっとしたトラブルがあった。聴衆の前に出て話を始めようとしたところ、演壇には椅子と机した用意されていなかったのだ。


演壇で椅子に座るなんてとても偉そうな感じで、講演会が堅苦しい雰囲気になってしまうだろう。立ったまま手を後ろに組んで話すと、まるで宮殿のスタッフに話しかけるフィリップ殿下のようだ。手を横に下ろした気をつけの姿勢か、手を前で握りしめた姿勢で話すと、まるで人前で緊張している子どものようになってしまう。


私は結局、机の角のところに腰かけることで、その問題を解決した。その姿勢なら、その気になれば足をぶらぶらさせることも、前に身を乗り出すこともできる。


講演から数年経ったある日、あの日の講演を聴いたという人に会う機会がった。彼女は、講演の内容は何一つ覚えていなかったが、私の自信ありげにリラックスした様子に感心したことだけはよく覚えていた。


自信があって、リラックスしていて、エネルギッシュな人物――そのイメージを目指さなければならない。


朝一番にオフィスの中を歩くときは、弾むような足取りでなければならない。今起きたばかりみたいにぼんやり、長い通勤で朝からくたくた。そんな醜態は他の人に任せておけばいい。あなたは爽やかな顔で、足取りも軽く、颯爽とオフィスに登場する。


のろのろ歩くのではなく、きびきびと歩こう。きびきびした歩きからは、仕事熱心で、エネルギッシュなあなたの姿が浮かびあがる。しゃきっと目が覚めていて、元気いっぱい、この先どんな難問にぶつかってもどんと受け止めることができる。今すぐにでも仕事を始めたくてうずうずしている。もちろん、仕事なんてあなたにとってはちょろいものだ。


あまりせかせかするのも禁物だ。あせっているような印象を与えてしまう危険がある。自分をコントロールし、なめらかに動く。せかせかせず、のろのろせず、びくびくせず、ぐったりしない。あなたはあくまでも、明るく、元気で、生き生きとして、熱意にあふれた印象を与えなければならない。