第2441冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • 他人のミスから学ぶ


「頭のいい人間は自分の間違いから学ぶ。真に賢い人間は他人の間違いから学ぶ」


いい言葉だ。しかし、よくできた格言を覚えただけで満足してはいけない。言葉どおりに実行することが大切だ。


誰かが身近な人が失敗したら、そのたびに失敗のすべてを知らなければならない。失敗した状況を、探偵のように詳しく調べるのだ。


ただし、自分の失敗のことを同僚に根掘り葉堀り尋ねられて、嬉しい人なんていない。質問の動機を誤解される恐れもある。他人の失敗を騒ぎ立て、見下しているヤツを思われかねない。


目立たないように同僚のミスの原因を突き止める最善の方法は、困っている同僚を助けることだ。そもそも仕事で誰かが失敗をするのは避けられない。同僚のミスの挽回を助けるのは当然のことで、さらにその原因を学べるというおまけがついてくるのだ。


ミスの原因がわかってたら、自分も同じミスをする危険があるかどうか考える。ごまかさず、完全に正直に答えること。


あなたは今までに、急いでいたために書類のチェックを怠ったことはないだろうか。または、一日の終わりに留守番電話やメールを確認するのを忘れたことはないだろうか。間違った数字をもとに交渉をしてしまってことや、配送指定日を間違えてしまったことはないだろうか。


自分が失敗しそうなことを正直に認め、絶対しないようなシステムを作っておくことが大切だ。そうでないと、間違いなく同じ失敗を繰り返すことになるだろう。もし同僚と同じ失敗をしてしまったら、あなたの立場は同僚よりもさらに悪くなる。


同僚が何か失敗をしたら、「自分はあんな失敗はしない」と慢心するのではなく、真摯な態度で失敗の原因を突き止めるようにする。


それを続けていれば、大きな見返りがある。あなたの失敗はますます少なくなり、ますます上司から一目置かれることになる。とても単純な法則だ。