第2440冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • 組織全体の動きに興味を持つ


あなたは巨大な組織を動かす歯車の一つにすぎないかもしれないが、一歩下がって全体を見ることができなかったら、歯車としての仕事も満足にこなすことはできない。


それに、いつも歯車やボルトやシャフトやピストンの視点でばかり話していたら、機械の片隅に小さく収まっていることに満足いている人物と見られてしまう。


あなたは、単なる歯車の一つではなく、もっと大きく、もっと重要な部品になりたいはずだ。そうなるためには、組織が動く仕組みを知り、組織全体の目標を知らなければならない。


それを知るためには、あなたは質問をする必要がある。


新しいプロジェクトについて上司から説明を受けたら、それが大きな目標の中でどんな役割を果たすのか尋ねてみよう。


たとえば、今度から電話営業に重点を置くように言われたら、その理由を尋ねる。それが市場のトレンドになのか、それとも会社が何か革命的なことをしようとしているのか。


会計課が二つに分かれるのはなぜだろうか。それが顧客の利益になるからなのか、それとも会社にとってそのほうが効果的だからなのか。


ここで注意してもらいたいのは、ただ質問をすればいいわけではないということだ。


「三枚あるピンクの書類をまとめるには何色のクリップを使えばいいですか?」「休暇の申請はメールでもかまいませんか?」というような質問は重要ではない。


自分の仕事だけでなく、もっと組織全体に興味を持っていることを上司に分からせるような質問をすることが大切だ。


質問をする目的の一つは、会社全体を気にかけ、愛社精神のある高い地位にふさわしい人物だと上司に評価されるためだが、理由はそれだけではない。


自分に与えられた仕事が、全体像の中でどんな役割を果たすかが分かれば、さらにやりがいが出てくる。何かを変える理由や、方向性を変える理由、余分に働く理由、特別プロジェクトを立ち上げる理由などが分かれば、仕事へのやる気はさらに高まるはずだ。