第2349冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 電話とメール


カリスマに関しては、電話とメールによるコミュニケーションはとりわけ難関だ。言うまでもなく、非言語コミュニケーションの大半は使えない。電話は視覚によるコミュニケーションが一切排除され、メールには言葉以外のツールはない。さらに、メールの場合、相手の反応をもとにやりとりの途中で修正することもできない。


それでも、タイミングは場所、相手が置かれているであろう状況を考慮するというコミュニケーションの基本原則は変わらない。複数の電話やメールをしなければならないときは、重要度が低いものから対応して、実践で練習しながら改善するといい。重要な電話やメールの前にはイメージトレーニングを行って適切な精神状態になっておくと、適切な言葉や口調が自然に流れ出るだろう。


電話では、話を切り出す前に必ず「今お話してもだいじょうぶですか?」と確認する。相手は仕事の締め切り間近か、危機的状況の真っ最中かもしれない。どんなに重要な情報を伝えようとしていても、どんなにうれしい知らせだとしても、タイミングが悪ければあなたにとって悪い結果になる。


話を始めたら、集中すること。直接会っているときと同じくらいか、おそらくそれ以上に集中しなければならない。電話ではボディランゲージなど視覚的な手がかりがなく、頼りは耳だけだ。静かに集中しよう。電話で話をしながら、物を食べたり、飲んだり、パソコンをいじったりしてもばれないだろう、というのは考えが甘い。飲み食いは論外だ。自分でも静かなつもりでも、受話器は音を拡大する装置だから、かんだり飲み込んだりする音が相手に聞こえるだろう。キーバードを打つ音も確実に聞こえ、電話とパソコンとどちらが大切なのだろうと思われてしまう。