第2283目 成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール ダグ・レモフ (著), エリカ・ウールウェイ (著), ケイティ・イェッツイ (著)


成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

  • 本番さながらのシナリオでスキルを練習する


プレミアリーグマンチェスター・ユナイテッドのコーチ、レオ・メウレンステーンは、ウェズサイトFourFourTwo.comに、技術向上に関するビデオを掲載している。たいていのチームは、「1対1」の反復練習をおこなう。ひとりの選手がボールを持ち、もうひとりがボールを奪おうと突進する。ボールを保持しつづける基本的なスキルを練習するためだが、それでは不十分だ、とメウレンステーンは言う。サイドから、背後から、前方から迫ってくるディフェンダーを想定し、なんでもありの(そのほうが現実に近い)シナリオで反復練習する必要がある。この練習では分離と統合が重なっている。さまざまな現実的な状況で(ボールを保持するという)基本的なスキルを習得しなけれならない。それができなければ、まだ本当に習得していないということだ。たいていの人は、まっすぐにボールに向かってくるディフェンダーと練習すればスキルが向上すると思っているが、じつはちがう。試合中いちばん起きそうにない状況にそなえさせているだけだ。


私たち〈免除なし〉という反復練習を作るときに、その教訓を忘れなかった。これは生徒に質問に最後まで答えさせる練習だ。まずは単純に、返答を拒んだりする場合を含めた。次に内奥を少し変更して、生徒が内気で答えられなかったり、返答を拒んだりする場合を含めた。そしてそれをさらに変更し、ひとつめとふたつめの質問には答えた生徒が、3つめの質問には答えられないという内容にした。この反復練習で教師たちは〈免除なし〉のテクニックをただ使うだけでなく、本番の状況に即して、さまざまなやり方ですばやく使う準備をする。