第2150冊目 20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール 成田 直人 (著)


20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール

20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール

  • 社長や講師の話し方を参考にする


普段、新卒社員から社長までさまざまな役職の方々と時間をともにしますが、そこから感じる、20代が先輩から学ぶべきことが一つあります。それは「話し方」です。


20代の新卒や若手社員、店長の研修をしていると、ほとんどの方が「おとなしい」のです。


研修では必ず発表の場を作るのですが、この年代の多くの人が前に出て話すときに、声が小さく身振り手振りが少ないのです。


したがって、私はいつも「もっと大きな声で、身振り手振りを添えて話してください」と伝えています。


指摘されれば、皆さまそれなりに話せる方ばかりなのですが、はじめは遠慮気味です。


一方、総評の社長の挨拶になると、全く伝え方が変わります。


身振り手振りを加えて、少しでもよい店、組織作りについて、研修をキッカケにして実現してほしい、というメッセージが明確に伝わってきます。


もちろん、社長のような話し方をいきなりはできません。なぜなら、圧倒的に人前で話す回数が少ないからです。しかし、見て学べることはたくさんあるのではないでしょうか。


さらに講師の話し方も同様です。セミナーや研修会に参加すると、講師の話し方はいつも勉強になります。


中でも強烈に私の印象に残っているのが、スターブランド株式会社の講師である村尾隆介さんです。


通常、講演はスクール形式で横並びなのですが、なんとコの字になり、その真ん中に村尾さんがいます。


村尾さんの背中に映し出されるスライドも、まるで映画を見ているかのようになめらかに切り替わり、村尾さんの言葉とスライドの呼吸が完全に合っているのです。見ていて「すごいな〜」と感銘を受けました。


私の今の研修や講演のスタイルも、多くの講師の伝え方から学んだ集大成でできています。もちろんまだまだ改善できることがあると思っています。だからこそ講師の話の聞き、社長の話し方を見て学んでいます。


あわせて、社長や講師に共通している姿勢が一つあります。それは「思い」が強いという点です。


プレゼンテーションには、前提として「思いを伝えたい」という思いが必要です。


私は彼らからの思いの強さから学び、いつも講演や研修時に「何を伝えたいのか」を考える時間を作っています。それがないと、受講生が「結局何を言いたいの?」と腑に落ちない結果になってしまうからです。


先輩や社長などの講演などから、伝えたいことを明確にすること、そして、伝える方法を学び、相手の心に響く話し方を身につけていきましょう。