第2118冊目 スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)


スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

  • 「なぜ」を考えれば姿勢が変わる


どうすれば自分の「進歩」ではなく「努力する姿勢」に注目できるでしょうか? これについは、香港科技大学シカゴ大学の研究によって、ある戦略が示されています。


誘惑に負けなかったときのことを学生たちに思い出してもらったところ、ライセンシング効果が生じ、そのあと70パーセントの学生が自分を甘やかす行動を取りました。しかし、学生たちになぜ誘惑に負けなかったのかと理由をたずねたところ、ライセンシング効果は見られず、こんどは69パーセントの学生は誘惑に負けませんでした。


研究者らが発見したこの単純な方法は、まるで魔法のように学生たちの自制心を向上させ、自分自身の大きな目標にふさわしい選択をさせるのに役立ちました。


「なぜ」という理由を思い出すのが効果的なのは、それによって自分を甘やかすような報酬についての感じ方が変わってくるからです。いわゆる「ごほうび」が目標の達成を妨げる脅威のように思えてきて、誘惑に負けて好きなことをするのがそれほど楽しそうに思えなくなります。また、「なぜ」という理由を思い出すことにより、目標に少しでも近づくためのチャンスを見逃さず、目標達成へ向けて行動できるようになります。


がんばったんだから少しくらいごほうびをもらってもいいよね、と思っている自分に気がついたら、ちょっと立ち止まって「なぜ」自分はがんばっているのかという理由を思い出してみましょう。