第2100冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • 職場に家庭の事情を持ち込まない


これまで一緒に働いたことのある人たちのことを思い出してみよう。


仕事中に最近の買い物や家庭の話をしたり、休暇の計画を仔細に教えてくれたり、子どもの送り迎えが面倒だとグチっったり、母親の文句を言ったりした人はいるだろうか。


もしいるなら、彼らの中に、あなたから見て本気で仕事に取り組んでいた人はいるだろうか。おそらく一人もいないだろう。


私生活を完全に秘密にしろと言っているわけではないが、職場の人間が、あなたの個人的な問題まで知っている必要はない。もし、信頼できる友人が職場の同僚だというのなら、仕事の後で一緒に飲みに行ったときなどに相談すればいい。


仕事と私生活はきちんと切り離さなければならないのだ。そして、仕事中は仕事だけに集中する。そうすれば、最短の時間で最高の仕事ができる。


その結果、会社の上層部はあなたの仕事ぶりに目をとめ、有能でやる気のある社員だと評価するようになる。するとあなたはますます仕事が楽しくなり、仕事生活はさらに充実していく。そもそも、心ここにあらずの状態で、何かを心から楽しめる人は存在しない。


ここで覚えておきたいのは、個人的な問題を抱えているのは自分だけではないということだ。親が病気になった、子どもが学校で問題を抱えている、迷惑な隣人がいる、住宅ローンの支払いが苦しい……。誰でも何かしらの問題を抱えている。そんな彼らに、わざわざあなたの問題を知らせることはない。冷たいようだが、それが現実というものだ。


もちろん、ときには仕事に影響が出るような大問題が起きることもある。離婚や家族の死といった、めったにないような大きな出来事だ。


そういった問題まで、職場で隠すことはない。きとんと上司にも知らせて、数日、または数週間、仕事に集中できない恐れがあることを伝えなければならない。


仕事に私情を持ち込まない人だという評判が普段から確立していれば、職場の人は心から同情し、理解をしめしてくれるはずだ。