第2117冊目PRESIDENT (プレジデント) 2014年 9/1号


PRESIDENT (プレジデント) 2014年 9/1号 [雑誌]

PRESIDENT (プレジデント) 2014年 9/1号 [雑誌]


成功している起業家とは三万人のうち一人だ。頭角を現さなかった二万九九九九人は消えているから、歴史には残らない。成功した人たちだけが残っているから、成功した起業家がいぱいるように見える。だが、その背後は死屍累々の有り様で、成功した起業家になるのは奇跡に近いことなのである。


苦しまないところに結果はついてこない。難しい道を選ばない限り、結果なんかない。だからこそ、自分で七転八起して、自分の勉強法を見つけることに意味がある。それは自分でつかみ取るしかない。


圧倒的努力というのは、人が寝ているときに、自分は仕事や勉強に取り組む。さらに言えば、人が諦めてしまうものを諦めないということだ。それをやるかならないか。しかめ決然と決意できるかどうか。仕事にしろ、勉強にしろ、結局は覚悟の問題だ。


私が幻冬舎をつくったとき、何もなかった。何もないから、何をするべきか。最初に決めたのは、年末の一二月二五日から、一月五日まで毎日五人に手紙を書くことだった。作家の作品やミュージシャンのアルバムを全部読み、聞き込んで、自分の感想を伝える。四谷の雑居ビルに代々木の自宅から歩いて通い、昼に弁当を買う以外は、朝九時から夜中の一二時まで一日五通、一〇日で五〇人に手紙を書いた。


「うちに書いてくれ」と依頼をする手紙だ。それには、新しい発見や刺激がなければならない。私と仕事をしてくれれば、あなたにとって、もっとすごい結果が出るというふうに思わせる手紙を書かなきゃいけない。それは容易なことではない。だが書いた手紙はことごとく実を結んだ。それは、すぐに実を結んだものもあれば、一〇年後に実を結ぶものもある。詰まるところ、自分が七転八起して悪戦苦闘したものが、実を結ばないなんてないのだ。