第2069冊目 どうしたら「デキる男」に見えますか? - 印象戦略30のノウハウ  岩井 結美子 (著)


  • 「眉に人格が出る」って本当ですか?


皆さんは、眉毛のお手入れをしていますか? 手入れとは具体的に言うと、「剃る」「抜く」「切る」「描く」です。「面倒くさい!」「そんなもん、女がするもんだろ」という方……ごもっとも!


しかし、「眉毛は顔の額縁」と言われるほど重要なパーツです。額縁とのバランスによって絵の印象が大きく左右されるように、眉の形は角度は顔全体の印象に影響します。女性のように、剃る、抜く、切る、描くという行為で原形を変えてしまう必要は男性にはありません。むしろ、メイクアップをしていない男性が眉だけをやたらと作り込んでいればそこだけが目立ち、浮いて見えてしまいます。ですので、形を変える、という女性の化粧行為としての位置づけではなく、あくまで「身だしなみ意識」としての位置づけで、整える行為に留めていただければと思います。


ただし、以下に該当する方は「身だしなみ」という点では、ぜひお手入れをしてください。

  • まぶたに眉毛が垂れ下がるほどに長く生えている手(まるでヤギのよう!」
  • 横顔を見たとき、何本か飛び出ている毛
  • 眉尻(眉毛のこめかみに近い方の先っぽ)が上または下に向かってカールしている手
  • まぶたまで覆っている毛


「お手入れしていない」と想像させてしまうことは、悪印象につながります。例えると、雑草を手入れせずに放置状態になっている草ぼうぼうの庭を見た時のような感覚に近いと思ってください。もうちろん、その庭のある家には人が住んでいます。どうでしょうか、残念ながら感覚になりませんか? なん放っておけるのだsろう、だらしない家主だな……そんなふうに感じてしまいますね。


これは人の顔でも同じこと。眉は、人が人を認知する最大の判断材料である「顔」の中にあります。人様に見せる箇所に対して意識が低すぎると、常々私は思っています。


ではここで、眉の形と印象の与え方についてお話します。あくまで自分自身の眉が自然に生えている形はどれに当てはまるか、という視点で参考にしてください。無理に形を整えすぎると、ビジュアル系バンドの若者たちのような中性的な印象を与えてしまいますので、ビジネスシーンではお勧めできません。


等に、印象損になっている眉は3つです。ここに当てはまる方は、「剃る」「切る」、場合によっては「描く」という行為で眉毛の形を変えて印象アップを試みましょう。

  • 三角形や丸みのあり過ぎる眉


このような眉毛の形が醸し出す印象は、「人懐っこそう」「優しそう」「従順そう」「親しみやすそう」「大らかそう」「愉快そう」」といった「人の良さそうな」ものが多いです。よって、他者からの扱われ方としては、気安くく頼みごとをされたり、冗談を振られてからかわれたり、時にはなめられたりしてしまうこともあります。温かい印象はもちろん好印象ではあるので、気さくに話しかけてもらえたり、安心感を与えたりすることはできます。しかし、「デキる男」という印象からは遠ざかってしまいますので、人の良い印象から卒業したい方は以下のように整えるのがお勧めです。


(お手入れの仕方)眉山の角、丸みをカット


眉上をストレートラインにすることで、顔全体が引き締まった印象になります。


丸と直線の法則で説明したように、私たち人間は、丸みのあるものや曲線的なものに安心感や安らぎを感じ、尖ったものや直線的なものに緊張感や冷たさを感じます。イラストのようにカットすることで顔の中に緊張感が加わり、ちょっと手強そうな印象を与えることができるのです。

  • 眉尻が下がっている眉


眉尻だけ手足が長く、まるで「ハの字」のように垂れ下がっているかのように見える眉のことです。人が良さそうでもあり、ひょうひょうとしたつかみどころのない印象も与えます。場合によっては頼りなさそうにも見えてしまうので、ビジネスシーンでは要注意ですね。


(お手入れの仕方)眉下をストレートラインにカット


このタイプの眉の整え方は先程の逆となり、眉下をストレートラインにカットします。

  • 眉毛が薄い人の場合


眉毛が薄い人の印象としては、ヤンキーっぽく見えることが特徴です。お笑い番組やお芝居でチンピラ役を思い浮かべてください。眉毛が薄い、もしくは無いということが多いですよね。あれは眉毛の上からテープを貼って隠したり、肌色の化粧品等を塗って消したりしているのです。


眉毛の印象の関係には重要なポイントがあります。それは、眉は「感情や意思を読み取るパーツ」であること。感情は、顔の表情筋と連動し「表情」を作り上げ、人間はその表情から相手の心の中を読み取ろうとします。眉の動きは表情を読み取る上でとても重要です。実際に、怒りの感情の時は眉は吊り上がりますし、落ち込んだり困ったりしている時はハの字に垂れ下がります。ですから、その眉が薄い、または無いという状態は相手の内心が読み取れず、得体のしれない印象を持ち、恐怖感や不安感を無意識にいだいてしまうというメカニズムです。


では、もともと薄い方はどうしたらいいのか。


一つは「描く」という手段があります。しかし先にも述べたように男性がこの「描く」という行為をすることは積極的にはお勧めしません。時間が経って取れてしまうと、描いていることがばれてしまいますし、修正するのも面倒だと思います。汗や皮脂に強いアイブロー・ペンシル(まゆずみ)や、その上から塗って消えないようにコーティングする液も販売されていますが、これも男性によってはストレスとなるでしょう。


もう一つは「アートメイク」なるものがあります。これは皮膚に色を入れる行為です。さまざまな眉の形をしたテンプレートがあり、専門家がお好みの形に入れてくれます。年数が経つと色が抜けていきますが、毎日描くという面倒さはないと言えます。なるべく眉だけが浮かずに自然に見えるよ専門家に相談しながら決めることをお勧めします。


では、「描く」とう行為をしない場合はどうすればいいのでしょうか。それは、眉の印象が気にならなくなるくらいの強いインパクトを他の部分で与えればいいのです。口角を上げて笑顔をキープするとか、相づちを入れながら話を聞くなど、他者にとってわかりやすい表情や態度、リアクションをすることでカバーができます。このコミュニケーションによる印象は第三章で詳しく紹介します。