第2021冊目 カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本) [単行本] オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • 体が心を変える


ここまでは主に、心が体にどのような影響を与えるかに注目してきた。私たちの心と感情は、さまざまなかたちで振る舞いやボディランゲージ、表情を変える。そして、反対に、体が心に影響を与えることもある。感情とボディランゲージの関係はとても深く、特定の振る舞いや表情をすれば、対応する感情が実際に湧いてくる。イメージトレーニングにおいて、適切なイメージが対応する感情とボディランゲージを生むように、特定のボディランゲージは対応するさまざまな感情を引き出せる。


ハーバード大学コロンビア大学の心理学者チームの研究によれば、力強い自信にあふれた体勢を取り、力強い声で話して手振りも加えると、自信とパワーをより強く感じさせるような生理的反応が実際に起きる。それに対し、気後れした服従的な振る舞いをすると、正反対の生理的反応が起きた。


自信のあるボディランゲージをすれば、本当に自信が高まるのを感じるだろう。その感覚がボディランゲージに影響を与え、さらなる自信を発信する。それがさらに気持ちを高揚させ、このサイクルが確立する。あとは必要なときにサイクルを動かせばいい。

  • 体が心を変える エクササイズ


次のステップどおりに体を動かしながら、体の動きが心と感情に力強い影響を与えることを経験しよう。


完全に意気消沈している人のボディランゲージを再現する。肩を落とし、うなだれて、悲しい表情をする。そのまま筋肉を動かさずに、心から興奮するような感覚を思い出す。体を動かさずに興奮を感じられるだろうか。ほぼ不可能だろう。


続いて、全身で興奮を再現する。宝くじに当たったかのように飛び上がり、できるだけ大きな笑顔をつくって、万歳をする。そうしながら憂鬱な気分を思い出す。やはり、不可能だろう。


さらに、いくつかの生理的な変化を経験してみよう。


自信を持ち、自己主張をして、真剣さをかもしだすために、軍の将校を演じる。足を大きく開き、胸を張って肩をいからせ、まっすぐ立つ。腕を後ろで自信たっぷりに組む。この体勢がもたらす精神的な変化を感じる。


エネルギーと心の温かさを高めるために、立ち上がって両手を高く挙げ、できるだけ大きく息を吸い(胸部が2倍にふくらむところを想像する)、とびきりの笑顔で上を向く。そのまま1秒静止してから、全身の力を抜く。


このエクササイズはどこでも実践できる。大切な商談や会合の直前に、自分の精神状態を変えたいと思ったらすぐにやってみよう。