第1340冊目 人づきあいの教科書―若いビジネス・パーソンのためのコミュニケーション・トレーニング (アスカビジネス) [単行本] 宮崎 聡子 (著)


人づきあいの教科書 (アスカビジネス)

人づきあいの教科書 (アスカビジネス)


ひと言が差をつける


会社のカラーや仕組みにもよるでしょうが、自分の仕事が終わったら、ぐずぐずせずにさっさと帰るというのが基本です。つきあい残業をする必要は全くありません。


もちろん、他の人たちは仕事をしているわけですから、最低限の挨拶は必須です。


「お先に失礼します」


でも、このような言葉だけで許されるのは、仕事が完全に分業化されており、各々の専門が決まっているような場合です。つまり、手伝いたくても手伝えないような仕事の場合です。


新人のうちは、専門性も高くなく、仕事も少ないのが普通です。どうしても早くに終わってしまいます。そんなときは、手伝う意思があるひと言をかけるのがいいでしょう。


ただし、フレーズによって相手に与える印象も変わってきます。コミュニケーション上手は、言葉に敏感です。


〈帰り際の印象アップフレーズ例〉
「何かお手伝いできることはありませんか?」
「お手伝いしましょうか?」
★積極性が伝わる


〈帰り際の義理的フレーズ例〉
「何か、他にありますか?(なければ帰りますが)」
「仕事、終わったんですが……。(もう帰っていいですか?)」
★裏の気持ち(カッコ内)が伝わる


手伝う、手伝わないは、あなたの自由です。生活(人生)における仕事の優先順位や、将来どうなりたいのかのビジョンや目的によっても異なるでしょう。


ただし、手伝うことのメリットはあります。


一つは、職場に早く馴染めるということ。先輩や上司と、同じ時間、同じ場所で、同じ目的に向かって行動をともにするのですから、チームの一員として認められやすいのです。


しかも、与えた仕事以外のことまで積極的に手伝おうとする人を、人は好意を持って迎えます。これらが相まって、あなたという存在を職場に溶け込ませるのです。


もう一つのメリットは、仕事を早く覚えられるということ。精神的に楽になり、自分がコントロールできる範囲が拡がります。


1年でそれができる人と、3年かかる人とでは、おのずと差がつきます。