第1304冊目 モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


プレ・デートでやるべきこと


プレ・デートが進むにつれて、あなたは自分が彼女に興味を持っていることを行動で示し、それによって彼女の気持ちを惹きつけたいと思うようになるはずだ。そもそも、プレ・デートのすべての時間を、恋の話で終始するのには無理がある。そんなことをすれば、たいていの女性は奇異に感じるものだ。相手の女性の仕事や家族のことなどを話題にすれば、女性もまったく違和感なく受け入れることができる。そうした会話をしながら、あなたは頃合いを見計らって深く息をつき、気持ちを落ち着かせ、自信に満ちた態度で次のような行動に出ればいいのだ。


少なくとも五回は彼女の身体に触れる


気軽に、さりげない調子で女性の身体に触れることに慣れさせておけば、あとでもっと親密な雰囲気で彼女の身体に触れることが容易になる。つまりこれには、あなたに触れられることに女性を慣らす意味と、さらには触れられる気持ちの良さを女性に教える二つの意味があるのだ。


この場合、素早く、軽く触れるのがコツで、女性が嫌な気分になる前にやめることが大切である。たとえば、話しながら特に強調したいことがあるときに腕に手を置くとか、女性を席に案内するときに背中に触れるというふうにすればいい。


男はときどき、緊張のあまりさりげなく触れることができなくなってしまうことがある。しかしこれは簡単なことなのだ。身ぶり手ぶりで話しているとき、自分の手が身体から遠く離れている瞬間があるだろう。そのときに、その腕をもう少し伸ばして彼女に触れればいいのである。


少なくとも一度は彼女の手に触れる


手に触れるというのは、ほんの少し親密で、そしてほんの少し侵略的な意味を持つ振るまいである。話をしながら、自分は特にここを強調したいんだというところにきたら、彼女の手にただ自分の手を重ね、そのまま彼女の目をじっと見つめてから、そっとその手をもとに戻すとよい。


彼女の目を、「長めに」見つめる


目を見つめることによって親密な時間を作り上げることができ、彼女に興味を持っていることを知らせることができる。だから、彼女に話しかけるときにも目を見るようにするべきだし、せめてときどきは目を合わせた方がいい。といってもにらめっこをするわけではないのだから、長い間、じっと見たりすると、たいていの女性は威嚇されているように感じる。女性と会話するとき相手の目を見ないようにしているという人も、ときどきは目を見るようにすべきなのだ。目を合わせることによって、あなたがおどおどしていないことを示すことができるし、くつろいだ様子で女性の目を見ることができれば、あなたが心を開いて本気で話したがっていることを伝えることができる。


デートの最中に一度は彼女と目を合わせ、それが苦痛に思えてくるその瞬間まで我慢し、それから視線を彼女の顔の部分にそらすようにする。これは特別にロマンチックで親密な雰囲気を作り出す。この方法で、あなたは巧みに彼女の心を開くことができ、それはのちに、彼女をさらに打ち解けさせるときにも役立つ。


一度は彼女の身体に目をやる


ちょっと待った! ストリップ・バーで女性の身体を上から下まで眺めるのと同じ視線を彼女に向けてしまう前に、女性に気を悪くさせずに、そのスタイルをチェックする方法を教えよう。それにしても、女性のすることはわからない。男性にじろじろ見られると怒るくせに、その一方で、わざわざ身体のラインを見せつけるような工夫をしているのだから。つまり、あなたが間違ったやり方で女性の身体に目を向けると、女性は憤慨する。だからといって目を向けなければ、その女性に対して性的な関心を持っていないのだと思われかねないのだ。この問題をうまく解決する方法は、素早く彼女の身体をチェックすることだ。最初に目を見て、素早く、一秒もかけずに女性の身体に目を走らせる。それからまた目を見る。最後にもう一度目を見ることによって、身体に目をやったことをあなたが恥じていないこと、そして彼女とつき合いたいという気持ちに変わりがないことを伝えることができる。会話の最中に一、二回これをやると(しかしそれ以上はいけない)、ロマンチックな雰囲気を高めることができる。


決断は素早く


このことについてはすでに話したので、ここではその重要性を再確認するだけに留めておこう。決断力のある男は魅力的だ。決断力のない男には魅力はない。さて、あなたはどちらを選ぶだろう。


一度は彼女にウインクする


ウインクは、相手とあなたの間に親密な一瞬を作り出す。あなたは、女性にウインクされたことがあるだろうか? その瞬間、あなたたちは、二人だけの小さな世界を共有し、特別な心の結びつきを感じていたはずだ。そしてあなたが女性にウインクすれば、それと同じ感覚を女性に与えることができるのだ。ただし、ウインクは素早く、ガレージのシャッターを下ろすような調子で瞼を閉じるのはまずい。それから微笑みを忘れずに。何も重大なことをしているわけではないのだから。


恋に関する質問をする


恋について語り合うために第一歩は、あなたの方から恋に関する質問をすることだ。あなたはただ口を開き、覚えてきた台詞を口にすればいい。たとえしっくりこなくても構わないのだ。まず始めてみなければ、そこから先へ進むことができないのだから。


力強さを感じさせる姿勢をとる


彼女に魅力を感じていること、あなた自身が魅力的な男であることを、態度で示そう。


一度は声の調子を変えるか、もしくはささやいてみる


この方法は必ずしもすべてのプレ・デートに有効なわけではないが、ことがうまく進んでいるときには、二人のロマンチックな関係をさらに一歩先へ進める手助けになる。


ささやきの効果が大きいそのわけは、いくつかある。まず第一に、ささやくことによって、あなたは女性の注意をより強く自分に引きつけることができる。何しろ、注意深く聞かなければ、あなたが何を言っているのか聞き逃してしまうのだから。第二に、ささやき声で話すことによって、二人だけの小さな世界を作り上げることができる。第三に、ささやくためには、あなたは彼女に接近しなければならない。たとえば、テーブル越しに身を乗り出してささやこうとすると、あなたの口は危険なほど彼女の耳に近づくことになる。非常に親密な感じがだが、しかしこういう状況なら女性は受け入れやすい。そしてこのことが、のちのあなたからの誘惑を、彼女に受け入れやすいのもにするのだ。


三度は彼女をほめる


アメリカン・プレジデント』という映画の中に、マイケル・ダグラス扮する大統領が、妻を亡くしてから初めてデートに出かける場面がある。そのとき、大統領の娘が、


「靴をほめるのよ。女性は靴をほめられると弱いわ」


と父親に助言する。大統領が半信半疑のまま靴をほめると、デートの相手はその言葉に感激する。そう、女性は自分の外見に目をとられ、ほらめられることが好きなのだ。何しろ彼女たちは、男性にきれいだと思われるために、かなりの時間と労力を費やしているのだ。男がそれに気がつかなくてどうるのだ?


当然のことながら、あまりにも性的なほめ言葉はいけない。


「その服を着ていると、胸のラインがいいね。手を触れたくてうずうずするよ」


というほめ方は、あらゆる恋の可能性をなくしてしまう点では、連続殺人鬼に魅力を感じていることを告白するのとさして違わない。彼女の靴をほめてみよう。それが本当に魅力な靴だった場合には。あるいはまた、センスがいいとほめるのもいいし、笑顔が素敵だというのもいいだろう。とにかく、何かいいところを見つけてほめるのだ。


しかし、この規則にも唯一の例外がある。その女性がかなりの美人で、しかも自分でもそれに気がついている場合、男からほめられることは珍しいことでも何でもない。実際そういう女性の中には、ほめ言葉を口にする男を、そのせいで非難する者のいるのだ。ある女性はこう言った。


「よく身体をほめられるわ。素敵だって。私が欲しいって言う男もいる。もっと別のほめ方はないの? みんな何も考えていないのね」


もしこういう女性をほめる必要性に迫られたときには、あまり人が目を向けないことに注目するといい。例を挙げよう。オスカーは、地球温暖化の講演会でシーラに出会った。シーラは驚くほどの美人だ。オスカーは、彼女の美しさの前にひざまずく男たちの一人だと見なされて終わりたくはなかった。そこでオスカーは、プレ・デートのときにこんなことを言ったのだ。


「君は本当にきれいで足りないところはない。だけど君とデートしたいと思ったのは、あの講演会で君が質問するのを聞いたときなんだ。そのときぼくはこう考えた。『あの女性をもっとよく知りたい』」


オスカーは、あまり皆が注目しないこと――彼女の知性――をほめようとしたのだ。しかも彼は、彼女の美しさを認めることも忘れなかった。オスカーの言葉はシーラの心に強く響き、すでに聞き飽きているほめ言葉の一つとして片付けられることはなかったのだ。