第1299冊目 モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


プレ・デートは短時間に


性的な関係になるまでは、一緒に過ごす時間をできるだけ短くしておくのが望ましい。というのは、二人で過ごす時間が短ければ短いほど、致命的な失敗をする機会も少なくなるからだ。もちろん、お互いを知り合うのに必要なだけの時間は一緒に過ごせばいい。しかしそれ以上は一瞬たりとも長引かせるべきではない。不必要なやりとりはすべて、一切を台無しにしてしまうことにつながりかねないのだ。


女性は、実際につき合うようになるまでは、あなたに恋人失格の烙印を押す理由を何とかして探し出そうとするものだ。前にも行ったが、誰かとつき合うことによって、女性はその規則正しい生活を脅かされることになる。そして生活が変わろうとするとき、誰もがそれに抵抗しようとするものなのである。たとえそれが、自分を幸福へと導いてくれる変化であっても。だから、あなたが関心を抱いた女性は、心のどこかで、あなたの存在を自分の人生から抹消したいと考え、それを正当化する理由を探しているのだ。そして、その理由を探せる時間があればあるほど、実際に探し出してしまう可能性も高くなる。


ところがボブは、マルセフとの初めてのデートのとき、この法則に従わなかった。ボブは最初、会える時間は一時間しかないというマルセフに断っていた。二人はコーヒーを飲みながら話し、すべてが順調だった。そこでボブは、デートの時間を延長しようと考えたのだ。ところが、マルセフの方はボブに退屈してしまい、もう帰ると言い出したのである。


「えっ、もう帰らなきゃならないの? じゃあ、今度いつ会える?」


哀願するような口調になっているのが自分でもわかった。ボブは、追いすがる立場の無力な男を演じてしまったのだ。そしてその結果、つまらない男だと見なされてしまった。



一方ブルースは、ウェンディーとコーヒー・ショップで会って、デートが順調に進んでいるときにも、だからこそ余計に短く切り上げた方がいいと考えていた。そして会って三〇分後には、


「ああ、もう行かなくちゃ」


とウェンディに告げたのだ。ウェンディは、ブルースが帰ってしまうことを残念がっているように見えた。それほど、二人の時間が楽しかったからだ。ブルースが帰ってしまったことで、ウェンディは満足感よりもむしろ物足りなさを感じ、彼女のブルースへの思いは必要以上にかき立てられた。だからウェンディは、ブルースからの二度目のデートの誘いを二つ返事で受け入れたのである。


プレ・デートにかける時間は、三〇分からせいぜい一時間一五分くらいまでがちょうど良い。一緒に楽しく過ごせたら、それだけで十分だ。ヘマをする前にその場を立ち去ること。そして、あなたを楽しい男性だと考えている彼女の気持ちを、勝負デートまで持ち越すのだ。