第1233冊目 ブライアン・トレーシー「ベストリーダーの極意」 [単行本] ブライアン・トレーシー (著), 日暮雅通 (翻訳)


ブライアン・トレーシー「ベストリーダーの極意」

ブライアン・トレーシー「ベストリーダーの極意」


4つのAを毎日実践する


部下の自尊心を満足させるために毎日とれる4つの重要な行動がある。いずれもAで始まる。


1.感謝する(Appreciation)


ことあるごとに、部下が任務を果たす過程でやっているすべてに対して、大小にかかわらず、感謝しよう。


あなたが「ありがとう」と声をかけるたびに、言われた部下の自尊心は高められる。その人は、
これまで以上に自分に誇りをもち自信をつめる。まずまずやる気が出て、最初に感謝される原因となった仕事にならに励むようになる。「感謝の気持ちを態度で」示せる上司は、どんな組織においても非常に優秀なリーダーである。


2.(Approval)


部下の自尊心を高める2つ目の方法は、働きを認めることである。どんなことでもいいから部下が何かを達成するたびに、ほめてその働きを認めよう。十分に努力したことをほめよう。いい提案やアイデアを出してくれたときには、ほめよう。要請した以上の仕事をした場合には、何かしたらすぐにほめ、具体的にほめ、忘れずにほめるのだ。


部下をほめれば、部下はそれを体感し、感情を動かされる。自尊心が高められ、自分を誇らしく思う。ほめれば、次回も同じようにうまくやってくれる。自尊心の定義は、「自分自身を称賛に値すると思う度合い」である。


3.(Admiration)


部下の自尊心を高めるためにあなたが実践できる3つ目の行動は、称賛である。エイブラハム・リンカーンが言っているように、「誰でもお世辞を好む」のだ。几帳面とか根気強いといった美点を絶えずほめたたえよう。服装や車、アクセサリーなどその人の持ち物をほめるのもい。仕事であるいは私生活で成し遂げたことを称賛しよう。


相手の何かを称賛するたびに、あなたは相手の自尊心を高めて幸せな気分にし、またそのことによって相手をあなたや会社のために力を尽くすようにしているのだ。


4.関心をもつ(Attention)


4つ目の行動は、これがいちばん大事なのだが、相手に関心をもつことだ。簡単に言うと、部下や家族に話があると言われたら、その言葉にきちんと耳を傾けるのだ。相手の話を辛抱強く聞こう。静かに耳を傾けよう。落ち着いて耳を傾けよう。深く耳を傾けよう。途中で口を挟まずじっと聞こう。


覚えておいてほしいのだが、あなたには、相手がもち出したアイデアや提案を実行する必要はない。ただ、しっかり話を聞き、うなずき、笑みを浮かべ、情報を教えてくれてありがとうと言えばいい。相手は自分の考えや意見を、上司とか自分の生活の中で重要な位置を占めている人に、伝える機会をもてて非常に満足している。もちろんあなたが部下の話を注意深く聞き、そのアイデアなり提案を実行に移す必要があると判断するかもしれない。ただ、行動するふりをするのはやめよう。真の聞き手は、相手の言葉を聞いている。


リーダーは聞き手である。聞き上手こそリーダーシップ、説得、うまいコミュニケーションの鍵だ。これは非常に効果的なので、ホワイト・マジックと呼ばれることもある。