第1199冊目  【新訳】信念の魔術―――人生を思いどおりに生きる思考の原則 [単行本]

C・M・ブリストル (著), 大原 武夫 (翻訳)



カードを使う技術


そこで、てっとり早く、この技術の話に移りましょう。まず三枚か四枚のカードを用意します。ふつうの名刺大の紙でよろしい。オフィスでも家庭でも、あなたの部屋でもそのほかどこでのいいのですが、だれにも見られないところへすわって、なによりもほしいと思うものを自分自身にたずねてごらんなさい。


もし答えを出てきて、それが確かにあなたの最高の欲求であることがはっきりしたならば、さきの一枚のカードの上に、それを一言で表すような簡単な文句にして書きつけなさい。一語か二語で表すのがよろしい――就職、転職、金もうけ、新しい家など、どんなことでもかまいません。


それから各カードごとに、初めのカードに書いたのと同じ文句を書きなさい。それができたら一枚をあなたの計算書綴り、ハンド・ブックなどにそれぞれ入れ、さらに一枚をベッドのそばなどに置き、さらに一枚をひげをそるときの鏡からお化粧の鏡台などにはる。なお一枚の机にピンでとめる――ということは、一日のうちどんな時間も、たえず心のなかいそのものの姿を描いて、イメージを深く植えつけたいからです。


夜寝るまえにも朝起きたときも、つまり二四時間のうちもっともたいせつな時間に、いっそう力をこめて、ある一点に心を集中するためです。しかし、それだけではまだ足りません。いま述べた方法や、そのほかいろいろの工夫をして自分の求めることがらをはっきり絵をして、心のなかにあざやかに描くほど、目的が早く実現することになるのです。


はじめはどういうふうにその効果が現れるのか見当もつかないでしょうが、心配はいりません。それ以上はすべてを潜在意識の力にまかせておけばいいのです。そうすれば潜在意識はひとりで勝手になにか仕事をして、思いもよらない時と所で、その効果を現すための門戸を開き、道をつけてくれるのです。思いもよらないところから助け船が出てきたり、、あるいは自分のプランどおりに物事が運んでゆくにはどうすればいいかという着想が、まったく思いもよらないときにしぜんと頭のなかに浮かんできます。


たとえば、とつぜん、長いあいだ便りのなかった人に出会ったり、または、かつて会ったこともない人を訪ねてみる気になるか、ふと手紙を出してみたくなるか、あるいは電話をかけてみる気がおこったりします。そんなときであろうと、そのとおりにすることです。そして寝床のそばには、いつも紙を用意しておいて、頭に浮かんだそういう考えを忘れないうちにすぐ書きとめて、朝起きるとともに忘れてしまうようなことがないようにするのです。成功した人は、夜中にふとアイデアが浮かんだときは、それを忘れないおうに書きとめておく習慣の人が多いのです。