第1166冊目 なぜ、サギ師のスーツはアルマーニなのか?―「絶対、人に騙されない」心理学 [単行本]樺 旦純 (著)
なぜ、サギ師のスーツはアルマーニなのか?―「絶対、人に騙されない」心理学
- 作者: 樺旦純
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
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なぜ、結婚サギ師は50?の距離で話しかけるのか?
人の好意をもてあそび、金銭的な被害まで巻き起こす結婚サギ。
騙しのテクニックは様々あるが、そのひとつに、警戒されない距離感を保つ、というものがある。
人間には、相手に好意を抱く距離感というものがある。
?1m
?50?
?15?
この3つのうち、初対面の人との場合、一番印象がよいのは、実は?の50?ということが、心理学の実験でわかっている。
?では、親しい会話をするのには離れすぎである。
また、?はパーソナル・スペースといわれる「恋人など身近な人にだけ許される距離」であるため、初対面で必要以上に近づくと、かえって警戒されてしまうのである。
ちなみに、ビジネスなどで話をする場合は、?の1mがもっともよいと言われている。
しかし、?の50?は、そういうビジネスライクな堅さはなく、なおかつパーソナル・スペースも侵さない、絶妙な距離なのだ。
だから結婚サギ師などは、図々しい人だと思われないように、最初の?の距離で会話をし、徐々に近づいてくる。
もちろん、手応えがあれば、?の50?まで近づき、警戒されない程度い親密を増していく。そして親密になってようやく、?のパーソナル・スペースに入り込んでいくのだ。
誰だって、いきなり近づいてくる人には「なれなれしいな」と好印象を抱かないものだ。
だが、つかず離れず、よい位置にいてくれると、それだけで信頼感が増してしまう。
これをサギ師は経験でわかっていて、巧みに利用するのである。
相手との距離感が、知らず知らずのうちに、心を操縦しているのである。突然近くに来るような相手には、警戒が必要だ。