第1149冊目  モテる技術 (ソフトバンク文庫) [文庫] デイビッド・コープランド (著), ロン・ルイス (著), David Copeland (著), Ron Louis (著), 大沢 章子 (翻訳)


モテる技術 (ソフトバンク文庫)

モテる技術 (ソフトバンク文庫)


モテる男は、常に複数の女性を追いかける


モテる男はデートを「確立のゲーム」だと考える……モテる男は、人生の多くの事柄がそうであるように、恋愛も、「確立のゲーム」だということを常に頭に置いて行動している。言い過ぎだと思われるかもしれないが、女性を口説く行為は、商品を売る行為に似ている。あなたは、掃除機や何かを売る代わりに、あなた自身を売り込んでいるのだ。セールスパーソンは、一度勧めただけで商品が売れることなどめったにないことをよく知っている。もしも売れたら、それはたまたま運が良かったということで、次はそううまくはいかないこともわかっている。


ここで、トップの営業成績を誇るセールスマンの仕事ぶりを見てみよう。マーティンは保険のセールスの仕事を始めてもう四年になる。年は二九歳。セールス目標を達成しては自ら記録を塗り替えることを繰り返し、社内でも驚嘆の的になっている。そしてマーティンが、社内で最も優秀なセールスマンでいられるわけは、彼はごく簡単な人生哲学に従って仕事をしているからである。営業成績を次々と伸ばしながら、マーティンが学んだのはこういうことだ。それは、七五人の客に電話をかけても、セールスのアポイントを取れるのは四人、その中で契約を取りつけられるのは一件だけだということである。


マーティンと、彼ほど営業成績が上がらない同僚たちとの違いは、マーティンがこの現実を受け入れていることだ。電話を途中で切られても、相手が留守でつかまらなくても、怒鳴りつけられても、自分を責める必要はないとマーティンは考えていた。すべてはセールスという「確立のゲーム」の中でやっていることで、いつかは必ず契約を取ることができると信じていた。だから、彼はただ顧客の電話番号をダイヤルし続ければよかったのだ。遅かれ早かれ、保険契約は取れるのだから。マーティンは、良い結果を思い描きながら、電話をかけ続けた。


ところが、成績の振るわない同僚たちは、営業活動を「確立のゲーム」だと考えることができない。客に断られたり、仕事がうまくいいかないと、自分を責めてしまう。営業をしていれば、断られることも当然あるが、いつかは必ず契約が取れる、と考えることができず、断られたあとの一時的な後味の悪さをいつまでも引きずり、目標を見失ってしまう。そしてとうとうあきらめてしまう。マーティンが成功に向かって努力し続けるのとは対照的だ。もちろん、マーティンだって仕事が思い通りに進まないときには、あせったり、不安になったり、怒ったりもする。けれども必ず、営業は「確立のゲーム」だということを思い出すことができるのである。



モテる男は女性との交際も「確立のゲーム」だと考えることができる。著者が知る限りの一番モテる男でさえ、声をかけた女性のすべてとベットインできるわけではない。そんなこと、どんでもない。モテる男は、女性に誘いをかけても大部分は、それ以上のものに発展しないことを知っているのだ。


モテる男は、一〇人の女性に声をかけても、そのうちデートに応じてくれるのは一人だと予測している。そして、四人とデートして、そのうち一人とセックスできればいいと考えている。モテる男は、現実の厳しさをよく知っているのだ。恋愛は野球に似ている、とモテる男は思う。ホームランをよく打つ選手は、三振も多い。モテる男は、女性に「ノー」と言われたり、約束をすっぽかされたり、口説こうとして拒否されたりしても、自分を責めたりしない。すべては恋愛というゲームの中の出来事で、いずれは必ず望み通りの女性とベットをともにすることができると信じているからだ。だから、ただひたすら女性に声をかけ続け、冗談を笑わせ、デートに誘い、この本に書かれている通りのことをやっていくことができる。そうすればいつかは、女性とセックスする機械に恵まれるはずだ。モテる男は、良い結果を頭に描いて、女性に声をかけ続けるのである。


ところが、モテない男は恋愛を「確立のゲーム」だと考えることはできない。拒絶されたり、うまくいかなかったりすると、自分の悪いのだと思ってしまう。誘えば断られる場合も当然あるが、いつかは必ずうまくいく、と考えることができず、一時的な惨めな気分から抜け出せなくなる。そして希望を見失い、やがてあきらめてしまう。同じそのとき、モテる男は成功に向かって前進し続けているのに。


女性を誘う技術を習得し始めた頃は、あなたは自分の成績を見てがっくりしてしまうだろう。初心者の場合、熟練したモテる男とは違って、二五人から三〇人に声をかけて、そのうち三人をデートに誘えればいいとろろだ。そしてその三人のうちデートに応じてくれるのは二人くらいだろう。六、七人とつき合って、ようやくそのうち一人とベットインできる。これが経験を積んだ男なら、二、三人に一人という割合だが。しかし大切なことは、女性が「ノー」と言っても気にすることはない、と知っておくことだ。ねばり強さが必ず成功を呼ぶと信じていれば、あなたがあきらめずに女性に声をかけ続け、いつかは望み通りの成果を上げることができるのだ。そして、一度目の成功で自信をつければ、次には女性を誘うのがずっと簡単になる。恋愛は「確立のゲーム」だと覚えておきさえすれば、あなたはモテる男になれるのだ。