第１１１８冊目　 20代実績ゼロから知っておきたい仕事のルール [単行本（ソフトカバー）]成田直人 (著)

礼に始まり例に終わる

礼儀は社会人の基本です。

同世代の友人と話すのであれば、気兼ねないノリでよいかもしれませんが、ビジネスの世界では礼儀を軽んじてはいけません。

特に、あなたよりも年上のビジネスパーソンは、礼儀を重んじています。私もまだまだ完璧ではありませんが、礼儀には特に気をつけています。

これを強く思ったのは、ある出来事がキッカケでした。

ある研究会社の紹介で、大手自動車リース会社で研修をすることになりました。会場には紹介してくださった研修会社のトップが、オブザーバーとして入っています。

研修当日、とても暑かったため私はあらかじめ上着を脱いでいました。

するとその研修会社のトップに「成田さん、なんて無礼な。今すぐ上着を着なさい！　研修が始まって皆さまに許可を取るのが筋でしょ！」と猛烈に怒られました。この日から礼儀を意識することを大切にしています。

その成果か、後日、６０代以上の経営者が集まる会で講演をした際に、大先輩の経営者に、「成田さんは若いのにしっかいりしていますね」と言われ、続けて、その方は、「講演のはじまりと終わり、礼に始まり礼で終わる、その姿勢があなたの人格を映していました」とおっしゃいました。

正直、「そこまで見られているのか……」と驚いたと同時に、気が引き締まりました。

私は講演や研修時は必ず、「今日は大切な現場の時間を止めて、講演（研修）にお時間を割いていただき、誠にありがとうございます」と挨拶をし、終わりは、「最後までお聞きいただき誠にありがとうございます」と伝えています。

ご受講いただく皆さまも、現場の貴重な時間を割いて研修に参加してくださっています。この研修の時間そのものが尊い時間だからです。