第1089冊目  人の印象は3メートルと30秒で決まる―自己演出で作るパーソナルブランド (祥伝社新書 105) [新書]

江木 園貴 (著)



1分間に230〜300字の速さで話す


会話での理想的なスピードは、ニューズを読むアナウンサーより、少しゆっくりした速さとイメージしてください。アナウンサーは1分間に400〜600字の速さで原稿を読みますが、アナウンサーの場合、会話ではなく、一方通行の語りかけですので少々早口になります。対面での会話においては、相手が存在しますので、相槌や質問を受ける間を考えて、1分間に230〜300字の速さで話しましょう。300字というと本文で7行〜8行くらいの量です。


私はふだん1分間に300字くらいのスピードで話しています。講演やセミナーなど多くの初対面の方と対面して話す際は、装いは「きちんと感」を重視し、話し方は凜として、優しさを感じる1分間に300字を心がけています。


「1分間に230字くらいのスピードで話すと優しく聞こえる」(ゆっくりめ)
「1分間に400字くらいのスピードで話すと凛々しく聞こえる」(やや早め)
「1分間に600字くらいのスピードで話すと積極的に聞こえる」(早め」


自分の出したいイメージで話すことができれば、TPOに合わせて使い分けもでき、効果的な方法と言えます。


同じアナウンサーでも、ラジオとテレビでは話すスピードが違うと言われています。ラジオは映像がなく音だけが勝負ですし、聞く側も音に耳を傾けていますから、テレビより速いスピードで語れるわけです。テレビの映像から得る情報量と、ラジオの音だけで得る情報量では、同じ内容でもビジュアルを含むテレビのほうが何百倍も、ダイレクトに届くとされています。


ですから、対面でも会話のおいては、装いから立ち居振る舞いまでの総合的なビジュアルの印象を演出する必要があるわけです。与える情報量が多いですから、対面の際の話すスピードは、ややゆっくりめを意識するとよいでしょう。電話の場合は、音だけですから、ラジオの場合と同じく、少し速めスピードで内容を的確に伝えることに重点を置いてください。


話をする際にチェックするポイント


声の強弱や高低により同じ話の内容でも、相手に与える印象が変わってしまいます。極端な話、説得のために話をしていても声が小さく震えてしまうと、相手の軽んじられてしまい、正反対の結果を生む原因にもなってしまいます。

  • 気持ちが高ぶると声が高くなり強い言い方になってしまう。
  • 自信があると強い表現が自然と出るようになる。
  • 自信がないと弱々しい声になってしまう。
  • 文の頭が強く、末尾が弱くなってしまう。