第1042冊目  できる人の仕事のしかた [単行本(ソフトカバー)]リチャード・テンプラー (著)

できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた


笑顔を磨く


ラドヤード・キプリングの「もし」という詩をご存じだろうか。

「もし周囲の誰もが冷静さを失い、すべてあなたのせいにしているときに、あなたは冷静さを保つことができるとしたら……」といった内容の詩だ。

そもそも自分んが冷静であることは、どうやって周りに知らせたらいいのだろうか?

答えは簡単。それは、笑顔を浮かべることだ。何があっても、とにかく笑顔。朝、同僚に挨拶するときも笑顔。仕事がつらいときも笑顔。とにかく笑顔だ。

偽物の笑いはすぐにばれてしまう。本物らしく見せるには、本物でなければならない。誠実で、気さくで、正直で、オープンで、幸せな笑顔。そして、そんな本物の笑顔を作る一番簡単な方法は、笑っているふりをするのではなく、心から笑うことだ。自分は誠実で、気さくで、正直で、オープンで、幸せだと、心から信じることから始めよう。

さて、あなたの笑顔が、本物の幸せや誠実さから生まれた笑顔になったとしよう。本物であるなら、上手になる練習をしてもずるにはならない。だって偽物ではないのだから。

自分の笑顔を研究するには、すべての角度から眺めることが大切だ。それを実現する方法はただ一つ、映像で撮影することだ。鏡や写真では不十分なのだ。ただし私と同じ失敗をしないように注意してもらいたい。

以前、ある店舗の店長代理を頼まれたことがあった。店は空いていたので、私は店内の有線テレビを使って、自分の歩き方、笑い方、身だしなみを心ゆくまでチェックすることにした。テレビカメラの前で笑顔を作り、モニターのある部屋でチェックし、気になるところに修正を加える。あれは本当に楽しかった。

ただ、私のそのテープを消去するのを忘れてしまった。それを店舗の店長が発見して、なんと上映会を開いてしまった。もちろん私も招待された。観客たちが大笑いする中で、私も最初から最後まで全部みるはめになった。あれは本当におかしな体験だった。

話の本題に戻そう。笑顔になるときは、片頬だけで笑わない。歯は見せるが出し過ぎない。幸せで誠実な笑顔を作る、といったことに注意すること。いい笑顔が作れるようになる、あで練習を繰り返そう。