第937冊目 信念の魔術 [単行本] C.M.ブリストル (著), 大原 武夫 (著), 秦 郷次郎 (著)
- 作者: C.M.ブリストル,大原武夫,秦郷次郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1982/02
- メディア: 単行本
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目の力はその人を表す
目の力については、いろいろ書かれているものがあります。目は心の窓で、あなたが心のなかで考えていることを外に表すものです。目は思考のみでなく、心のなかをはっきりと表現するものです。ことわざにもあるとおり、人間の値うちを定める正札だともいえます。ところが、この鏡の技術を実行しだすと、われながら驚くほど、自分の目にチャーミングな色や動的な力がこもってくるのがよくわかります。この力は、なにものをも貫いて、すべてのものの奥まで見通すような深い目つきになり、相手の人はおのれの魂の心底までも見透かされるのではないかというような気持ちになるものです。そうして、いつのまにか目に強い迫力がこもってきて、相手の人は、この心からの迫力に圧倒されるようになります。
エマソンは、人の目をみるとその人の地位がはっきり現れると書いています。すべての人は、人生における位階や地位を、目のなかに持ち歩いているものだということを忘れてはなりません。だから一目みて、自信に満ちたものがあると人に思われるような目の力を養うのがいいので、そのためにも鏡の利用はとても有効です。
鏡の技術はいろいろに利用されて、すばらしい効果をあげています。たとえば、もし姿勢が悪くて歩き方もだらしがないとみられるような人は、等身大の鏡の前で姿を直す努力をすると、目にみえて効果があがります。鏡は他人の目に映じるままを映し出してくれます。だから、鏡の前で練習をすると、他人に見てもらいたいと思う理想的な姿に、自分をつくることができるのです。
たとえば演劇で、ある人物の役割をもたされると、いつのまにかその役の人に似てくるといわれます。それからみても、鏡の前の試演ほど有効なものはありません。といっても、サイエンスには虚栄はないのです。だから、かるはずみな心で鏡を利用してはいけません。ほんとうに自分にあこがれていて、あのようになりたいと心に描く人物に自分をつくりあげるために使うのです。
すぐれた人物として世に名をあげた多くの偉人が、この鏡の技術を使って自分の人間をつくりあげ、世間の人びとを導く力を養ったという史実があるのですから、前途に大きな望みをいだく人たちは、できるだけこれを利用すべきでしょう。
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