第914冊目 「権力」を握る人の法則 [ハードカバー]

ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)

「権力」を握る人の法則

「権力」を握る人の法則

力を印象づけるふるまい

ピーター・ユベロスメジャーリーグMLB)の元コミッショナーで、1984年のロサンゼルス・オリンピックで成功させたことで有名である。ユベロスはその年に「タイム」誌のマン・オブザ・イヤーに選ばれた。そのユベロスの座右の銘は、こうだ――権威の2割は与えられるものだが、8割は自ら勝ち取るものである。まさに至言である。勝ち取る方法の1つは、オリバー・ノースのように、自信を持って、あるいは自信ありげにふるまうことである。たとえ自信がなくとも、決然とした態度を示さなければならない。インテルの共同創業者にして元CEOのアンディー・グローブは、その好例である。ハイテク業界の経営者は誰でもそうであるが、グローブも、テクノロジーの未来を自分が正確に予測できるとは思っていない。では、見通しが定かではないのにどうやって会社を経営するのか。シリコンバレーのある会議でそういう意地悪な質問が出たとき、グローブは次のように答えた。

「そうだね……一部は自己研鑽だが、残りははっきり言ってハッタリだな。だがハッタリは現実になる。なぜなら、自分を奮い立たせ、楽観的にする効果があるからだ。自信ありげにふるまっていれば、ほんとうに自信がついてくるものでね。そのうちハッタリも、それほどハッタリとは言えなくなってくる」