第910冊目 「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール (ブルーバックス) [新書]

藤沢 晃治 (著)

音読の勧め

つまり説明上手になるためには、本書で述べた15のルールを、確実に記憶に定着されることだけで十分に効果があります。

記憶に定着させる秘訣は、反復です。新しい英単語を覚えようとするとき、2、3回声に出して読んだだけでは、翌日になれば忘れてしまいます。しかし、繰り返し書いたり読んだりしていれば、やがて記憶に定着します。

とは言っても、本書を始めから終わりまで、何度も読み返す暇な荷とはいないでしょう。そこで、お勧めするのが、この第4章でまとめた15のルールを音読することです。1日1回、この15のルールをゆっくり音読し、それを10日間だけ続けていただきたいのです。

音読するなどとはバカバカしく聞こえるかもしれません。しかし、10日間の音読後、それから数日後か数週間後、あるいは何ヶ月後かのある日、あなたが何らかの説明をしなければならない状況に立たされた時、ここで定着させたいくつかの説明術のルールが、必ず脳裏をよぎるでしょう。その時、あなたは説明の達人という新しい自分に出会うはずです。

小学生の時、かけ算の九九を、ほんの3週間ばかり声に出して反復練習したことを思い出してください。たった3週間の時間の投資で、算数の基礎知識として九九が、しっかりとあなたの生涯の財産となってではありませんか。説明術も同じです。ほんの10日間の時間投資で永遠にあなたのものとなります。さあ、恥ずかしがらずに音読を始めてみましょう。

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  1. タイムラグの存在を知れ。
  2. タイムラグを短縮せよ。
  3. 「間」を置きながら。しみ入るように話せ。
  4. 具体性と抽象性のバランスを取れ。
  5. 説明もれに気づけ。
  6. 情報構造を浮かび上がらせよ。
  7. キーワードを仕え。
  8. 論理的な主張をせよ。
  9. 聞き手が知っている事例にたとえよ。
  10. 聞き手の注意を操作せよ。
  11. 聞き手を引率せよ。
  12. 繰り返しの劣化に注意せよ。
  13. 持ち時間を守れ。
  14. 聞き手に合う説性をせよ。
  15. 聞き手を逃すな。