第892冊目 小泉進次郎の話す力 [単行本(ソフトカバー)]

佐藤綾子 (著)

小泉進次郎の話す力

小泉進次郎の話す力

突っ張りミラー 幅60cm NJ-0007

突っ張りミラー 幅60cm NJ-0007

ダイナミックなアーム使いは遠目まで引く

二〇〇一年から二〇〇二年、私たちはどれだけ頻繁に小泉首相の「腕」のすごさを見たことでしょうか。この場合の「腕」は、文字通り体の「上腕(アーム)」のことです。

多くの政治家が演説をする時に、マイクを持っていないほうの片方の手を胸のあたりまで挙げて、その腕を降りながら力強さを演出するアームの動き(言語補助動作)を出すことは技術として心得ています。適切なアームの振りはパワフルさ、元気さ、熱意を伝えていきます。

最近では、民主党代表選における菅直人氏が、両方のアームの肘を机につけたまま、なんとかかろうじてアームを振る動作を数回していました。これでは肘が机についているので、せっかく振ってもちっともパワーが伝わりません。

菅首相は、いつもアームの使い方がたいへん下手です。アームをガンと上から振り下ろし、ナタで切りつけるような動作も、よくやっています。私が何度もテレビ番組なので指摘しても直りません。下ろしたその腕をすぐに上に上げないので、押しつけがましい印象を与えています。

小泉純一郎氏の場合のアームは、偏りも肘を高く上げ、その肘の先の手をガンと一旦下に振り下ろし、もう一度振り上げるダイナミックな動きをいつも見せていました。