第775冊目 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 キングスレイ・ウォード/〔著〕 城山三郎/訳

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

目次


実社会に出発する君へ
あえて挑戦を(第一通)―名門私立大学に合格したが気おくれし、やっていけるだろうかと迷っている君へ。
教育の設計(第二通)―いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて。
成功について(第三通)―父親にかなわない?いずれ父親を振り回すようになるのに。
惰性的な生き方には(第四通)―「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを。
実社会での最初の日々(第五通)―いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の碑安を感じないではいられない君に。
誠実さの代価(第六通)―ビジネスで最も重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ。
「企業家」とは何か?(第七通)―冒険心と自信。危険への備えはどうするのか。
経験の重みに代えて(第八通)―新たに販売部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない。
部下との衝突(第九通)―衝突で何を得、何を失ったか。回避の道はなかったか。〔ほか〕


息継ぎの技術


ほんとうに演説の上手な人には、もうひとつの秘訣がある。息継ぎの技術である。深く息を吸い込んで、文全体、あるいは長い文のまとまった一節を、一息で話す。決して、決して、半ば息切れした状態で話し始め、言葉の途中で、あるいは無意味な前置詞で声が途切れることのないように。こうなるとみじめである。人まえである程度以上上手に話せるようになりたいと思う人は、誰でもこのこつを呑みこむのに苦労する。そのためには絶えず、できれば実地で、練習するしかない。家で練習することはもちろん大切だが、本番とは比較にならない。(君がよほどの例外でなければ)、講演を始めた当初は、大勢に話しかけることをかなり恐れるはずである。しかし心配は要らない。この不安はたいてい経験とともに薄れる。しばらくは、せめて自然に呼吸ができるまでに神経を押さえることに努力を集中するしかない。(私も初めはこれに手を焼いた。きまりは悪いし、柄でもない。君はこんな経験をするかどうかわからないが、するとしたら、私に言えるのは、回を重ねるにつれてらくになる、ということだけである)。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪


今日の声に出したい言葉


ものを覚える時は「単に何回も棒読みする」よりも「暗唱して、間違いを訂正しながら覚える」ほうがずっと、記憶率が高くなる。――有賀ゆう


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

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