第731冊目 トップ営業マンに学ぶ雑談の技術 最初に「つかみ」、自然に「距離を縮める」 津田秀晴/著

トップ営業マンに学ぶ雑談の技術

トップ営業マンに学ぶ雑談の技術

目次


第1章 聞く耳を持ってもらうには 「先生」になって会話をリードする(会話の中で「先生になる」ことの意味
「これだけは先輩よりも詳しい」という知識を持とう! ほか)
第2章 一目置かれるようになる できる人に見える話し方(数字を暗記しておき会話の中に織り込もう
いつも「聞きかじり」ではカッコ悪い ほか)
第3章 共通点と相手の思いを拾う あっという間に心の距離を縮める話し方(「共通点」はお互いの心を近づける磁石
あらゆる角度から見つけ、価値観まで拾い上げよう ほか)
第4章 カウンセラーとコーチに学ぶ 相手の信頼を得る聞き方・話し方(健全な興味を向けよう。真摯に話を聞こう
相手に意識を集中しよう ほか)


小泉進次郎氏の街頭演説


「共通点を見つけて相手の気持ちをつかむトーク」の好例として、ここでは参議院議員小泉進次郎氏の街頭演説を紹介したいと思います。彼は、言わずと知れた小泉純一郎元総理の次男です。


小泉氏を取り上げるのは、新人議員とは思えぬトークの上手さがあり、本書の主たる読者である若手ビジネスマンの方に年齢も近く、また、実際の語り口をテレビやインターネットで確認しやすいと思われるからです。


彼のトークの特徴は、短いフレーズをリズムよく重ねていくことで、そして、明るさと華があることです。この点は、父親譲り。子供の頃から良い手本を見てきたからでしょう。


また、全国各地での演説(2010年上半期)の様子からは、聴き手の共感を得るための、以下のような工夫が見てとれます。

  • まずは地元の方言で挨拶する


たとえば、青森八戸市の演説では開口一番、「こったら寒い中、よくおんでやんした!」と挨拶しています。すると聴衆から歓迎の笑いが……。直前に教わって練習しました、という感じの下手の方言なのですが、だからこそ余計に好感度が上がっているように思います。

  • 地元の人たちとのつながりを披瀝する


群馬県の演説では、「群馬に来たのは高校生以来……」とした後に、父親の小泉純一郎元総理が戦争中に群馬に疎開しており、今回も群馬入りを報告すると当時を思い出して懐かしんでいた……といった話を持ち出して、一族としての深いつながりをアピールしています。その土地の人にとっては親近感が深くなるでしょう。


これは、ビジネスや訪問や商談でも応用できそうです。


たとえば、私の知人の営業マンでも、相手とのつながりを捜してトークの中に盛り込んでいます。相手の会社の先代社長(現社長の父親)との素敵な思い出話や、その会社(商品)のことがいかに好きか、といったことです。


あなたに、すべての良きことが、なだれのごとく起きますように♪



今日の声に出したい言葉


「若者にとって、幸福に欠かせないものは友情の恵みである」――サー・ウィリアム・オスラー

 

編集後記


ノンバーバル・コミュニケーションの専門家の話し方は、参考になります。


身ぶり手ぶりに無駄がなく、いかにも信頼できそうな服装、抑揚のきいた話し方、やはりプロは違いますね。

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

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で紹介されていたジェスチャーを実際にしているのが確認できますね。


この動画が無料で見られるなんて、ありがたいものです。



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