第553冊目 なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 「わかる」を「できる」に変える本 ケン・ブランチャード/著 ポール・J.メイヤー/著 ディック・ルー/著 門田美鈴/訳

なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本

なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本

目次


問題はどこにある?
ミッシング・リンク(失われたつながり)
反復の力
行動に移せない理由1―情報過多
少数のことを何度も行う
行動に移せない理由2―ネガティブなフィルター装置
ポジティブな心で聞く
「青信号」思考
行動に移せない理由3―フォローの欠如
いいところを取り上げて強調し、成功に導く
仕組み、サポート、説明責任を与える


間隔をおいた反復
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「いい例だ。教えたことをきちんとやらせようとしたのですね。ウェブスターの辞書をつくったノア・ウェブスターは、多くの本を読むより少数の本を完全にマスターするほうがいいと言っています。要点を納得させるには、つまり何かを完全にマスターするには、すっかり自分のものになるまでそれに没頭する必要があると思う。少しずつかみくだき、消化して、ようやく自分のものになるのです」


「ちょっとおおげさなようですが、そうだと思います」作家は言った。「ずいぶん強調なさいますが、それって例の『間隔をおいた反復』のことのようですね。


「そのとおりです」起業家は言った。「人の精神というものは、少数でも完全にマスターしたものに間隔を置いて繰り返し触れるほうが、20冊もの本を1度しか読まないよりも影響が大きいと言います。セミナーに出たり本を読んだりして、たえず新しい情報に接することが習慣になっていると、忘れることも習慣になってしまう。実践することではなく、新しいことを知るトレーニングばかりしている。すべきことに真逆をやっているわけです」  


「忘れることが習慣になるって、どういうことですか? 私、読んだり来たりしたことをよく忘れてしまいますが」


「人間の頭脳――あなたも私も含め、あたゆる人の脳――は、たえず2つのうちどちらかを行っています。何か新しいことを学んでいるか、忘れているかです。注意を向けなければ、たちまち忘れてしまう。間隔を置いて注意を向ければ思い出す」


「では、いいセミナーでも1度しか受講しなければ意味がないということですか?」


「もちろん意味はある。でも、ペンとメモ帳を持って同じセミナーを何回か受講したほうが、一回だけよりもいいでしょうね。『忘れるプロセス』から逃れられる。本についても同じです。アンダーラインを引いたり、マーカーで印をつけたり、大事な箇所を書き出したりしながら、何度も読むといい。そうやって復習するのです」


「同じ本を読んだり同じセミナーに出ても、同じことはしていないということですか?」


「そのおとり。私は学びたいと思う本を読むとき、1度目は通読して感じをつかみます。二度目は、重要な箇所にアンダーラインを引きながら読む。三度目は、たぶんメモを取る。4度目は、勉強仲間を一緒に呼んでもいい。そして、これは一定の時間を置いて行うことが大事です。ともかく、自分が学びたいと思うことに集中するための自分なりの方法を工夫することです」


「でも、ほんとうにそれまでしなければならないのですか?」作家は聞いた。


「私の経験から言って、残念ながらイエスです」とフィル。「本当に1つの分野をマスターするには、大量の情報に触れるより焦点をしぼった情報に取り組むべきです」


「そして、繰り返しそうすべきなんですね」


「そう。大量の知識を、1、2度学ぶより、少数の知識を何度も学んだほうがいい」


「では、多くの本を読むより、少数の本を何度も読むほうがいいということですか?」


「ええ。間隔を置いた反復が大事です。多くのことを1、2度学ぶより、少ないことを何度も学ぶべきなのです」


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪


今日の名言


一 倉定氏が死去するまでの15年間、毎月のセミナーに欠かさず参加。その数、実に180回。テーマが内容が同じでも、自分の中に刷り込むために通った。環境 や自分が変わるから、同じ話でも聞くたびに新しい発見がある。熱心にノートを取り、テープレコーダーて講義を録音して、会社と自宅で繰り返し聞いた。―― 小松節子


なぜ、ノウハウ本を実行できないのか―「わかる」を「できる」に変える本

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