第294冊目 人生生涯小僧のこころ 大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界  塩沼亮潤/著

人生生涯小僧のこころ

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不満に思うのは自分に「我」があるからです。心の底から素直な「はい」が言えるようになるのは、お坊さんになってから十年はかかるのではないでしょうか。

どんな悪天候の日も、体調が悪くても、同じ時間に帰ってくるという目標を立てました。何時に帰ってもいいのですが、帰りが遅いと皆さんに心配をかけると思ったからです。毎日同じ時間に帰ってくるので「新幹線のようだ」と言われていました。

毎日歩いておりますと、歩き方のコツをつかんできます。歩くときには顎を引いて、腰を入れて下腹を意識して歩くのが一番集中できます。

行者なんて次の一歩がわからないんだ。行くか行かないかじゃない。行くだけなんだ。理屈なんか通りゃしない。もし行かなけりゃ短刀で腹を切るしかない。そう、次の一歩がわからないんだ。みんなの幸せだけを念じ、右・左・右・左。

「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」戦国武将の山中鹿之助

七百四十一日目、人生を論ずる暇はない。今この時を情熱をもって生きるのです。


四百六十日目、洞辻で熊がすぐ後ろまで襲ってきてビックリした。山は怖いところだ、命が幾つかあっても足りん。

行を終えた今現在も、「今日より明日、明日より明後日」と、いつもいつも過去最高の自分になれるように神仏に手を合わせ、祈っています。

プロローグ なぜ千日回峰行をはじめたのか
第1章 千日回峰行とはどういうものか
第2章 私を行に向かわせたもの
第3章 千日回峰行までの道のり
第4章 心を磨く千日回峰行
第5章 いつも次なる目標に向かって
第6章 流れの中でありのままに
エピローグ 人生生涯小僧のこころ

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