第3329冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)


そしてヘアスタイルやファッション以上に大事なのが、立ち居ふるまいである。権力や地位があるようにふるまうことが大切だ。俳優兼監督のビル・イングリッシュは、劇場を経営するとともに、演劇学校でも教えている。授業では「権力者らしくふるまう」ことも教えるのだが、そのときイングリッシュは生徒に姿勢を口やかましく注意する。神経質になっているときや緊張しているとき、人間は体が縮こまり、背中をまるめるなど、防御の姿勢をとりやすい。それでは権力者らしいとは言えない。背中をぴんとまっすぐにして立ち、胸は反り気味にし、骨盤を拡げるようにするだけで、威嚇的に見える。その姿勢で相手に向かってのしのし近づいていけば脅威を与えらるし、面と向かって立てば、相手はかなり気後れするだろう。逆に背を向けたり後じさりすれば、相手が優勢になる。


動作によっても、権力や決意を表すことができる。円を描くように手を動かしたり胸をくねらせたりするのは、力強い印象を与えない。長く曲線的な動作ではなく、短く直線的な動作を心がけるとよい。また、まっすぐに目を見て話せば、力強さだけではなく正直で率直な印象を与えることができる。一方、目を伏せるのは自信がなく内気な印象、目を逸らすのは何かを隠している印象を与える。