第3319冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

  • 共感力


交渉力のトレーニングでは、勝ち負けより実利を得ることが大切だと私はアドバイスしている。多くの場合、互いに譲歩し合うことによって、双方に満足のゆく結果に到達することが可能になる。ただしそのためには、相手の立場を理解しなければならない。相手の視点でものを見られるかどうかは、影響力を獲得する重要なポイントの一つである。リンドン・ジョンソンが上院の民主党リーダーとして活躍できたのは、九九名の民主党議員を知り尽くしていたからだと言われる。それぞれの政治的意見はもちろんのこと、誰が個人事務所を欲しがっているか、誰が大酒飲みで誰が浮気性かといったことまで把握し、どの法案には誰が賛成するかを正確に予測できた。さらに、議員一人ひとりにどんな材料を持ちかければ支持を得やすいかも知悉していた。


共感力の研究をしているテキサス大学のウィリアウ・アイクスは、次のように述べている。


「親身になれる人というのは、他人の考えや感情を正確に読み取れる人である。他の条件がすべて同じであれば、こうした人々が最も的確な助言者、最も有能な外交官、最も手強い交渉者、最も選挙に強い政治家、最も成績のよい営業マン、最も人気のある教師、最も鋭いセラピストになれる」