第3316冊目 「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)  ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)


「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)


数年前、私はアリアンツの保険子会社ファイアマンズ・ファンドで役員研修をしたことがある。当時同社のCOOを務めていたのはジョー・ベネダッチで、まだ三八歳だったが、「インシュアランス・アンド・テクノロジー」誌でCOOオブ・ザ・イヤーの一人に選ばれていた。なぜその若さでこれほど高い地位に就くことができたのかと質問すると、学歴のせじゃないね、と彼は即答したものである。まじめに勉強はしたが、一流大学出身ではない。その分、たくさん本を読むこと(週に一冊はノンフィクションを読むという)、自分を振り返る習慣をつけてことが、抜擢された原因ではないかとジョーは話してくれた。重要な会議の後や心に残る話を聞いたときは、必ず手帳に書き留める。会議や講演の大筋とともに、どこに感心したのか、どこは賛成できないか、誰がどんなことを言ったか等々をメモしておく。この手帳を読み返せば。各人の見解やそれに対する自分の考えがよみがえるので、その後の関係作りがうまくいく。またメモをつけること自体が内省を促し、思わぬ閃きが得られることもある。