第3248冊目 家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア  イヴ・ジネスト (著), ロゼット・マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)


家族のためのユマニチュード: “その人らしさ

家族のためのユマニチュード: “その人らしさ"を取り戻す、優しい認知症ケア

  • 注意の分散ができなくなる


私たちは、助手席の人と話をしながら車の運転をしたり、台所でラジオを聴きながら、何品もの料理をつくることができます。しかし、認知機能が低下してくると、一度にできることは一つだけになります。ですから、「自分が知らないことについては不安に感じ、知っていることについては安心する」で述べたように、同時にたくさんのことを言ったり、行ったりしないことが重要です。


その一方で、一つのことに集中すると他のことに気がつかなくなる特徴を生かして、ご本人が何かに熱中している間に、いつもはあまりお好きではないこと(たとえば、着替えや体を拭くことなど)をすることもできます。


一人が話しかけて、ご本人がその人と語らっている間にもう一人がケアをしてみたり、人の代わりにビデオやペットの力を借りて、ご本人が歌舞伎の黒衣のようにケアをしたりすることができます。