第2784冊目 ゴール―最速で成果が上がる21ステップ ブライアン トレーシー (著), Brian Tracy (原著), 早野 依子 (翻訳)


ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

  • 視覚化の四つの側面


視覚化の驚くべきパワーを使いこなすには、まず視覚化を四つの側面に分けて学び、練習してくてはなりません。


頻度
視覚化の第一の要素は頻度です。特定の目標が達成された様子や、特定の状況で自分が最高の仕事をしている様子を思い描く回数です。より明確なイメージをより頻繁に思い描くことで、それはより速やかに潜在意識に浸透し、現実となるでしょう。


長さ
視覚化の第二の要素はイメージの持続です。心の中にどれだけ長くイメージを維持できるかです。心の底からリラックスしていれば、最高の姿の自分を数秒間、さらには数分間も維持できる場合もあります。イメージを長く保持できれば、その分それは深く潜在意識に浸透し、より速やかに行動となって現れるでしょう。


明確さ
視覚化の第三の要素は明確さです。目標をどれだけ鮮明に心の中に描けるかによって、それがいかに速く実現できるかが分かってきます。この要素こそ、「アトラクションの法則」と「呼応の法則」を機能させるものです。欲求の明確さこそが、その実現の速さを決めるのです。


新しい目標を決めたばかりのとき、そのイメージはありまいで不明瞭なはずです。それがなかったらどうなるのか、あなたには見当もつかないかもしれません。しかし、何度もそれを紙に書き、見直し、心の中にイメージを描き続けるうちに、それはだんだん明確になり始め、いずれははっきりとしたかたちをとるようになります。そのとき突如として、あなたの目標はあなたのイメージしたとおりに実現するのです。


切実さ
視覚化の第四の要素は切実さです。イメージにどれだけの思いをつぎ込むかです。実際のところ、これこそが視覚化のプロセスのなかで最も大事で強力なものです。十分に思いをつぎ込み、十分に明確なイメージを描けば、すぐさま目標がかなうということもありえます。


「頻度」「長さ」「明確さ」「切実さ」の四つの要素は、あなたを助けもしますし、陥れもします。自然と同じで、視覚化というのは中立なものです。諸刃の剣のように、どちらの方向からでも切れるのです。それはあなたを成功させもしますし、失敗さえもします。視覚化は、あなたが
明確に切実に描いたイメージを、それが好ましいものであれば忌まわしいものであれ、忠実に実現するのです。


たとえば、不安というのは目標達成のマイナスのかたちです。これは、起こって欲しくない出来事を考え、想像し、視覚化するプロセスです。不安を覚えるとき、人はマイナスのかたちで視覚化を行っています。起きて欲しくない問題を、自ら引き寄せてしまうのです。