第2725冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 身だしなみとメーキャップ


身づくろいと羽づくろいをやめてしまった動物には、体や心の健康に問題があり、それは人間でも同じだ。身なりを整えられないのは別のことに心を奪われている証拠で、苦悩を表している。そこで私たちは、清潔できちんとした身だしなみから健全さを連想し、頑強な人と結びつける。以下にあげるガイドラインは、人の心の奥深くに根ざした好みと、社会規範に基づいている。

  • 髪は清潔に保つ。おしゃれをするにしても、自分の表情のほうが霞んでしまうほどの目立ちすぎる髪型は避けること。
  • すでに説明したおおり、手は命を育むことも死をもたらすこともできるから。人は手の動きに敏感だ。手は必ず見られている。爪は、女性ならほとほどの長さに、男性は短く切り、こまめに手入れして、決して嚙まないように(爪を嚙むと神経質だとみなされる)。長すぎる「かぎ爪」は非常に悪い印象を与える。職を得たいなら、また本気でとりあってほしいなら、かぎ爪は避けなければならない。
  • メーキャップは自分自身を引き立たせるべきもので、それ自体が注意を引くようなものであってはいけない。相手に注目してほしいのは自分の表現であり、マスカラや口紅ではにはずだ。メーキャップが過度かどうか自信がなければ、コンサルタントによる講習に投資しよう。
  • 香水は使わないようにする。匂いが好きな人はほとんどいない。以上。
  • 人前で適度に身だしなみを整えるのは(スーツの上着を軽くたたいてのばす、襟やネクタイをの直すなどは)、よい印象を与える。自分がどう見えるかに気を配っていることを表現しているからだ。しかし節度を忘れてはいけない。人前で身支度をすれば(髪をとかす、爪を切ったり手入れしたりするなど)、社会的知性が欠けていることになる。以前、ひとりの弁護士がペーパークリップで耳掃除をしている場面に出会ったことがある。彼は法定内で見ている人にどんな印象を与えるかに、まったく気付いていなかった。友人は、アシスタントが職場のデスクでデンタルフロスを使っているのを見て、驚愕したそうだ。アシスタントは、何かご用ですかと尋ねながら手をはなしたので、口の外にフロスがだらりと垂れ下がった(作り話でも思いつかないような事実だ)。そのイメージが頭にこびりついてしまい、友人はアシスタントが扱った書類に触ると思っただけで気分が悪かったらしい。
  • 男性諸君、人前で鼻をほじらないように、股間を掻かないように(あえてこの警告をここに入れたのは、「男性はどうしていつも……?」という質問を、ひっきりなしに受けるからだ。ウソではない)。