第2709冊目 FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

  • 頭と首


私たちが首をかしげるのはとても快適に感じているといだけで、特にまわりに人がいる場合はそうだ。首をかしげれば、体のなかの最大の急所である(空気、食べ物、血液、神経信号の通路がすべて集中している)首を、危険にさらすことになる。不安や恐怖を感じているとき、または嫌いな人や見知らぬ人のいる前で首をかしげるのは、ほとんど不可能に近い。やってみればわかるだろう。だから仕事の場で、相手が首をかしげるのを見れば嬉しい。それは自分が温かく迎えられていることを示しているからだ。


首のあたりに触れるしぐさも、非常に重要で明らかな「なだめ行動」だと考えられる。首の一部や喉元のくぼみを手で隠すしぐさは、大脳辺縁系が異常で注意が必要だとみなした刺激に対する、特に顕著な反応だ。私たちは普通、何かに動揺した、脅えている、戸惑っている、危険の可能性を感じた、または――理由は何であれ、不安を感じたときだけ、首のあたりに手をやる。首は体のなかで最も攻撃を受けやすい部分だから、これは生物学的に理にかなっている。


額にしわを寄せる表情は、前後関係によって解釈が異なる一般的なノンバーバルだ。たとえば、集中、心配、混乱、悲しさ、怒りを表すことがある。しわを寄せたあとに頭に触ったら、普通は何か問題があることを示している。


「上向き」に動くその他の(たとえば足先、腕、親指の)ノンバーバルと同様、顎が上を向くのも重力に逆らう行動で、自信の表れだ。「見下す」という表現のように、鼻もちならない態度に結びつく。顎を上げるしぐさは特にヨーロッパではよく見かけ、ロシアの軍隊ではパレードのときに礼儀として求められる。


顎をぐっと引くのは、首をできるだけ隠そうとする動作で、カメが危険を感じると甲羅の中に引っ込んでしまうのに似ている。顎を極端に下げていれば、自信がない証拠になる。