第2695冊目 人生を思い通りに変える51の質問  谷原 誠 (著)


人生を思い通りに変える51の質問

人生を思い通りに変える51の質問

  • 「でも」「しかし」が口癖になっていませんか?


弁護士の仕事は、対立する当事者の一方から依頼を受け、その依頼者の権利を守り、最大限の利益を実現することです。そのために、相手から権利主張があっても、必ずその主張に反対し、反論しなければなりません。


ですから、私たち弁護士は、日頃、「しかし」「それは違う」「それには同意できません」など、相手に反論する言葉を多用します。


しかし、それは、闘争の現場であるがゆえです。親族間や友人同士のプライベートな場で、このような反論言葉を使う必要は、どれだけあるでしょうか。一般に「でも」や「しかし」という言葉は、相手の意見を否定し、自分の意見が正しいことを主張するための接続詞として使用されます。プライベートな場面で、わざわざ相手の意見を否定することが必要でしょうか。


このような「でも」「しかし」を使う人は、無意識のうちに次のように考えています。


「あなたの意見は間違っている。私の意見の方が正しい。今から意見を言うので、よく聞いているように」


しかし、相手が素直に意見を聞き入れるでしょうか。また、これであなたの優秀さを証明したことになるでしょうか。相手は気分を害するだけではないでしょうか。


この種の人たちが気づかなければならないことは、たとえ自分が「でも」「しかし」という言葉を使って自分の意見を表明したとしても、決して自分の優秀さを証明したことにはならない、ということです。


自分の意見を表明するだけなら、わざわざ相手の気分を害するような方法で行う必要はありません。たとえば、次のように言ったら、どうでしょうか。


「なるほどそのとおりですね。ところで違う視点かもしれませんが、私はこう思います……」


相手の意見を肯定しても、十分自分の意見は言えますし、目的は十分達せられはずです。


一度、自分が1日に何度「でも」「しかし」なとという言葉を使って他人の意見を否定しようとしているか、数えてみてください。


そして、今日からは、相手の意見を肯定した上で、自分の意見を言うように、切り替えてみたらいかがでしょうか。